私の幼馴染みその後 (ページ35)

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幼馴染み俊哉編６ページ35

Asaid

俊君が心配してくれた事が嬉しくて、暫くの間浸っていると、

俊哉「昨日は楽しかった？」

そう俊君に尋ねられた。

今までなっちゃんに会っても、そんな風にを聞かれた事が無かったから、少し驚いた。

「凄く楽しかったよ。
でも、急にどうしたの？今まで、そんな事聞いた事無いのに。」

素直にそう聞いていた。

俊哉「別に何も無いけど、"Aには色々と我慢させてるな"って思って・・・。」

"急にそんな事言うなんて・・・やっぱり何か有ったんだ。"

そう思うと、次の言葉が出て来なくて、私は黙ったまま俯いてしまった。

黙ったままの私に俊君が、

俊哉「ずっと前から思ってたんだ。
俺達がデビューしてから、二人で出掛ける事もあまり無くなったし・・・。
彼氏らしい事も、Aにしてあげられてないなって思って。」

そう言って俊君は、困った様な不安そうな顔で私を見た。

「確かに今は二人で出掛ける事は難しくなったけど、その分皆の知らない俊君を小さい頃から知ってるから。」

私がそう言うと、

俊哉「そっか・・・そうだよね。
Aにしか見せない俺も有るし、俺しか知らないAも有るもんな。」

そう言って、俊君は笑った。

「そうだよ。
二人しか分からない事が、たくさん有るんだから。」

そこまで言って、私は黙り込んでしまった。

"二人しか分からない事って・・・それって・・・"

自分で言って恥ずかしくなった。

"嫌だ。私って、いったい何考えてるんだろう。"

段々と顔が熱くなってきて、手でパタパタと頬を扇いだ。

そんな私の様子を察知したように、

俊哉「A、何を想像してるんだよ。」

「な・・・何も。」

俊君に見透かされているようで、恥ずかしい。

「ところで俊君。今日は、何時頃帰れる？」

これ以上俊君に追求される前に、話題を変えたかった。

俊哉「今日は早く帰れると思うから、久し振りにご飯を食べに行こうよ。
タマさんに、美味しいって評判のお店を聞いたんだ。」

多分私の気持ちを分かってくれたみたいで、話を合わせてくれた。

"俊君のそう言う所、大好き。"って思う。

「大丈夫なの？
ロケで疲れてるだろうから、無理しなくて良いからね。」

本当は嬉しいのに素直になれない私は、やっぱり可愛くない。

"ごめんね、俊君。"

私は俊君に、心の中で謝った。