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幼馴染み 太輔編 7 ページ23

Aside


親友の春菜は、私が甘える事が下手な事も、自分に自信を持てない事も気付いてくれていた。




そしてちゃんと、私を叱ってくれる。




春菜「太輔の一番はAだよ。その事は変わらないと思うよ。
A、もっと自分に自信を持ってよ。」




ほらね。ちゃんと分かってくれてる。




「有り難う、春菜。」




その時突然車のドアをノックされて、驚いて振り向くと、心配そうに此方を見ている太ちゃんと目が合った。




「・・・太ちゃん。」




ドアを開けると、太ちゃんが春菜に声を掛けた。




太輔「春菜、連絡有り難う。
その上、今までAに付き添ってくれて。
本当に助かったわ、有り難うな。」




そう言いながら私の手を引いて、私を車から降ろした。




春菜「思ったより早く来られたんだね。
じゃあA。太輔が来たから、私は帰るね。」




私が降りた事を確認すると、春菜は車のエンジンを掛けた。




「春菜、上がって。
お茶くらい飲んで行ってよ。」




春菜は私の言葉に笑顔で、




春菜「太輔が居るから大丈夫でしょ。
そろそろ拓也が帰って来るから、私は帰るね。」




そう言って手を振ると、車を発進させた。




春菜が帰ると、太ちゃんが私の手を引いてゆっくり歩き始めた。




「太ちゃん先に行ってて。一緒に居るところを誰かに見られたら・・・。」




そう言って私が手を離そうとすると、太ちゃんの手に力が入った。




「太ちゃん。」




私がそう呼んでも、太ちゃんが立ち止まる事は無かった。




戸惑う私の手を引いたまま、太ちゃんは私の家に向かった。




玄関のドアを開けリビング入ると、やっと太ちゃんが私の手を離した。




太輔「A、ちゃんと説明して。」




ソファーに腰を掛けた太ちゃんが、隣に座れとばかりに自分の隣をポンポンと叩いた。




ソファーに座っても黙ったままの私に、




太輔「春菜に連絡を貰ってから、心配で堪らなかった。体調は大丈夫なの?」




太ちゃんは私の方に向くと、私の手を優しく包んだ。



「睡眠不足による、一時的な目眩だって。
大丈夫だよ。直ぐに治まるって言われたから。」




そう言って、太ちゃんにニッコリ笑って見せたけど、太ちゃんの顔は少し怒っているみたいで、




太輔「それで睡眠不足の原因は?」




私をじっと見て、視線を反らさない。




「・・・仕事が忙しくて・・・。」




私はそう答えて、視線を反らした。

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作者名:紅廉 | 作成日時:2017年8月25日 1時

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