幼馴染み 宏光編 6 ページ6
宏光side
「あんた元気にしてるの?
たまには顔ぐらいみせなさいよ。」
母ちゃんから、電話が掛かってきたのは3日前。
明日と明後日がオフなうえ、今日は夕方で撮影が終わる。だから"帰る"って連絡しておいたのに、帰ってみれば、
"お帰り。急にAちゃんのお父さんが出張になったから、女同士でご飯食べに行って来ます。遅くなると思うから、後は宜しくね。"
テーブルの上には、手紙が置かれていた。
仕方無く自分の部屋に荷物を置きに行き、窓に目をやると、Aがベランダで缶酎ハイを飲んでいた。
そう言えば母ちゃん、"Aちゃんが一段と綺麗になった。"とか"頻繁に男に送って貰ってる。"とか、言ってたよな。
昔はAの事なら、何だって知っていたのに、ジャニーズに入ってからどんどん会えなくなって、俺の知らないAが、どんどん増えていった。
最初は、Aに認めて欲しくて始めたこの仕事が、今では俺にとって、かけがえのないモノになっている。
だからAには、本当に感謝してるんだ。
この仕事をしていると、確かに周りには綺麗な人や可愛い人がたくさん居る。
"良いな。"と思う人も居るし、声を掛けられない訳じゃない。
でも俺は、A以上に想える人には、出会えない。
同級生達の結婚話も、チラホラ聞こえてくる様になり、正直このままだと、気持ちを伝える前に、他の奴に取られてしまいそうな不安に襲われる時がある。
そんな時に聞かされた、母ちゃんの電話の内容に、俺は心底動揺した。
あの日偶然、Aと二人きりで話すチャンスに恵まれ、気持ちを伝える事が出来た。
Aも、俺の事を想ってくれていた事が分かって、最高に幸せな気分だった。
ただ後であの日の事が、おばさんと母ちゃんの策略だと知って時は、マジ勘弁して欲しかった。
そんな心配しなくても、"俺はやる時はやる男だ"ってのに、何時までも子供扱いされてる事に腹もたったけど、おばさんと母ちゃんの嬉しそうにしている顔みたら、何も言えなくなってしまった。
母ちゃんには照れ臭くて、"余計なお世話だ。"って言ったけど、本当は感謝してるんだ。
恥ずかしくて、面と向かって言えないけど、
"おばさん、母ちゃん、有り難う。
お陰で俺達、今幸せです。"
End
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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時