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幼馴染み 健永 編 6 ページ49

健永side


今日の撮影が終わり、Aに連絡を入れる。




何時も俺の事を、一番に考えてくれるA。




少しは我が儘、言ってくれれば良いのに。




俺が言わないと、自分からは誘ってくれない。




俺の事が必要ないのかと、前に一度聞いてみた事が有る。




「ねぇA。何時も俺の事ばかり気に掛けて、甘えてくれないよね。
俺ってAにとって、必要な存在になれてない?」




不安な気持ちを正直に伝えた。




するとAは、




「だって・・・私欲張りだから、1つでもお願いを聞いて貰えたら、次から次へとお願い事が増えそうで・・・心配なの。」



そう言って、照れた様に笑って見せた。




そんな可愛いことを言ってくれる。




俺はAが愛しくて、




「全部叶えてあげられる様に頑張るから、だから欲張りになって良いからね。」




抱き寄せてそう告げた。




Aは顔を上げ嬉しそうに、




「後で後悔しても知らないよ。」




笑顔で言うと、俺の胸に顔を埋めた。




「任せといて。」




そんな俺の言葉に、Aは腕の中で頷いた。




それでもAは、俺にお願い事をしない。




今の俺の立場や、周りの事を考えている事が分かるから、俺がしてあげれる事をしてあげたい。




だから、時々外に連れ出すんだ。




「今はまだ我慢させてばかりだけど、何時か皆に認めて貰える様に、頑張るからね。」




Aと食事を済ませた後、彼女の部屋で話している時そう告げると、




Aは首を横に振って、




「健永は自分の夢の為と、それを支えてくれる人達の為に頑張ってくれれば、それで良いよ。
私はこうして傍に居られる事が、幸せなんだから。」




そう言って、ニッコリ笑った。




俺はAを引寄せ、




「有り難う。俺はAが居てくれるから、走り続けていられるんだ。
きっと此からも、まだまだ思い悩む事が有ると思う。
そんな時何時もAの存在があるから、俺が俺で居られるんだ。」




Aは頷いて、




「健永、何時でも迷ったら戻って来て。
そしてこの手を放さないで。」




そう言ったAの笑顔が本当に綺麗で、




「うん。必ず戻って来るから、ちゃんと待っててね。」




そう約束した日から、一日の終わりは必ずAに電話をする。




だって、Aが俺の道標だから。




"此からもずっと変わらず"

作者より→←幼馴染み 健永 編 5



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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時

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