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幼馴染み 健永 編 5 ページ48

Aside


翌日私のバイト先に、健永がやって来た。




昨日の事が気になっていた私は、




「もう少しで上がるから、待っててくれる。」




そうお願いして、待ってて貰った。




仕事を終えて、健永の所に向かった。




「ごめんね、待たせちゃって。・・・もう元気になった?」




遠慮がちに私が聞くと、




「有り難う。
あの後先輩から連絡が有って、"自分と闘え"って言われた。
それを聞いて、誰かと比べるんじゃなくて、俺自身を磨かないといけないと思った。
そう思うと、"俺ってまだまだだな"って。」




そう言って笑った健永は、どこか吹っ切れた様で、少し大人の顔になっていた。




「そっか・・・健永君には良い先輩が居るんだね。」




「うん。本当に尊敬出来る人なんだ。
俺も何時か"翔君みたいになりたい"って、思ってる。」




「えっ?・・・翔君って・・・嵐の櫻井翔君?」




驚いた私の顔を見て、




「うん。その翔君。」




そう言って笑った。




「でもね、昨日Aちゃんに言われた事も、ちゃんと俺の心に響いたんだよ。
俺はメンバーと仲が良いし大好きだけど、今回の悩みはメンバーには言えなかったんだ。
それで苦しくなっていた時、Aちゃんの顔が浮かんで思わず電話してたんだ。」




真面目な顔をした健永が、私を見つめた。




「俺達7人それぞれ個性が有って、だから良いんだって。
Aちゃんの言葉を聞いて、そう思えたんだ。」




「良かった。少しでも健永君の、役に立てたのなら。」




そう言って笑い掛けると、




「少しじゃないよ。凄く助かったよ。
・・・今回の事で思ったんだ。俺にはAちゃんが必要だって。」




「・・・」




「ごめんね、急に。
・・・今の俺だと未完成だし、頼り無いと思う・・・それに仕事柄、制約もあるし、嫌な思いをさせるかもしれない。」




「・・・」




「俺にはAが必要です。
・・・何時かAにとって、必要な人に成りたいと思ってる。」




「・・・うん。」




健永は私の手を握り、




「此からずっと・・・俺の傍に居て貰えませんか?」




真っ直ぐに私を見て、そう言ってくれた。




「・・・はい。」




私はそう答えるのが精一杯で、いつの間にか頬に涙が伝っていた。




あの時からずっと、私は健永の傍に居る。




彼の後ろ姿にそっと声を掛ける。




「ねぇ、今の私にとって健永は、"一番必要で大事な人"だよ。
・・・此からもずっと。」

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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時

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