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幼馴染み 高嗣 編 1 ページ38

Aside


「ねぇA。これ使って。」




ニコニコ顔の高嗣が、私に大きな箱を渡す。




「何これ、プレゼント?」




高嗣からの突然のプレゼント。




嬉しくて尋ねると、




「そう。開けて見てよ、早く。」




高嗣に急かされ包みを開けると、其処に入っていたのは、




"ロボット掃除機。"




「これって・・・」




「そう。家にも有るヤツ。
凄く良いから使って、使って!」




嬉しそうに話しているけど、これって我が家が汚いって事?




私が不満そうな顔をしていると、




「Aって、掃除得意じゃないじゃん。
だから俺からのプレゼント。嬉しい?」




そう言ってニコニコ顔。




「はぁ〜っ。」




私が大きな溜め息をつくと、心配そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。




「ねぇ高嗣。
そんなに私の家が気に入らないんだったら、自分の家に帰ったら。」




私が不機嫌そうに言うと、




「え〜っ。俺はAと一緒に居たいんだもん。
でも掃除は大事だから、この子に頼もうと思って。」




"どっちも譲れないんだね。"




それにこの子って・・・
それって掃除機の事だよね?




高嗣に悪気が無い事くらい、私には分かってる。




「・・・そうなんだ、有り難う。
ところで、これってどうやって使うの?」




仕方無く私が高嗣に使い方を聞くと、"待ってました"とばかりに、色々と説明してくれる。




「この子はね、ここが凄いの!
自分でちゃんと充電しに戻るんだよ。凄いでしょ!」




高嗣ったら力説してる。




こんな風に得意気に話す姿は、小さい頃の高嗣そのまま。




「ねっ、凄いでしょ。」




目、キラキラさせてる。




「本当だ。凄いね。」




私がそう答えると、嬉しそうな顔をする。




"きっと私が喜ぶと思ってしてくれたんだ。"




そう思うと、大抵の事は許せてしまう。




それは私達が、長い月日を一緒に過ごしてきた"幼馴染み"だから。




でも今だからそんな事が言えるわけで、ここに至るまでは結構大変だった。




小さい頃はお互い素直に向き合えていたけど、大きくなっていくうちに少しづつ素直になれなくて、すれ違って悲しい想いもしたね。




だから私達の今が有って、お互いがお互いの事を理解してるんだと思ってる。




私は高嗣だから、色々な事が分かるんだと思うし、分かって貰えるんだと思ってる。

幼馴染み 高嗣 編 2一部訂正有り→←幼馴染み 裕太 編 9一部訂正有り



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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時

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