幼馴染み 裕太 編 1一部訂正あり ページ29
Aside
「まって〜、まってよ〜。ゆうくん。おねぇちゃん。たっくん。」
皆がどんどん先に行っちゃう。
「だいじょうぶ?Aちゃん。」
立ち止まって、私を待っててくれるのは裕君。
「ありがとう、ゆうくん。ゆうくん、だいすき。」
「A・・・A。早く起きないと遅刻するよ。私、先に行くからね。」
お姉ちゃんの声で目が覚めた。
「A、また小さい頃の夢見てたの?良く見るよね。」
慌てて仕度をしている私に、お姉ちゃんが言った。
「見ようと思って、見てる訳じゃないもん。」
そう答える私を笑ってる。
「早くしないと、裕太と達也が待ってるよ。」
そう言ってお姉ちゃんは、玄関に向かった。
「待ってよ。」
慌てて私も家を出た。
「おはよう。Aは今日も寝坊したの?ここ、寝癖付いてるよ。」
そう言って私の寝癖を撫でたのは、幼馴染みの玉森裕太君。
「もう少し早く起きて、杏里ちゃんみたいにちゃんとしろよ。」
そう言って文句を言ってるのが、裕君の弟の達也君。
「女の子なんだから、少しは気にしなさいよ。」
お姉ちゃんは美人でしっかり者。
裕君とお姉ちゃんは同じ年で、美男と美女だから本当にお似合いだと思う。
「Aは、そのままで良いよ。」
「そんな事言って兄貴がAを甘やかすから、コイツが努力しないんだ。」
達也は私と同じ年で、お姉ちゃんには優しいくせに、私には厳しい。
私も悔しいから、達也には言いたい事を言ってやる。
二人で言い合いをしていると、裕君が笑いながら、
「お前たち、本当に仲が良いよな。」
「本当だね。"喧嘩する程仲が良い"って言うけど、本当だね。」
そう言ってお姉ちゃんも、くすくす笑った。
「勘弁してよ。何で俺がコイツと。」
「そうだよ。何時も文句ばっかり言うんだから。」
「お前が言わすんだろ。」
「何よ。」
「何だよ。」
「はいはい。分かったよ、分かったから。」
そう言って裕君は、私の頭を撫でた。
こんな風に一緒に学校に行くのは、私達が小学校に上がってから。
でも私達は4つ違いだから、同じ学校に通えたのはたった2年間。
後は途中までで、私は達也と学校に向かう。
それも今年で最後。
それでなくても裕君が仕事の日は3人なのに、2人が卒業したら、達也と2人っきりになっちゃうんだ。
寂しいな。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時