幼馴染み 俊哉 編 1 ページ23
Aside
「ねぇA。俺の財布知らない?」
今慌てて財布を探しているのは、私の彼。
「海未ちゃんの横に無い?」
彼の名前は、宮田俊哉。
"Kis-My-Ft2"というジャニーズのグループに所属している。
アイドルなんだけど、アニオタとしても有名。
俊君のアニメ好きに拍車が掛かったのは、家の父親のせいかもしれない。
私の母と俊君のお母さんは、小学校からの友達だ。
お互いが結婚してからも近くに住んでて、私達が小さい頃はほぼ毎日と言って良いくらい一緒だった。
だから幼稚園も一緒。
流石に小学校からは別々の学校に通うことになったけど、長期休みは一緒に過ごす事が多かった。
中学生になると部活が有るから、会う回数は減った。
それでも家族同士でBBQや旅行に行くから、定期的には会っていた。
私には兄貴が居て、俊君にはお姉さんと弟が居る。
俊君とうちの兄貴は、年が近いせいかとても仲が良い。
私は、"妹が欲しかった。"と言う俊君のお姉ちゃんと仲が良くて、今でも一緒にご飯を食べたり、ショッピングに行ったりしている。
「有った、有った。じゃあ、仕事に行ってくるね。」
「気を付けて行ってらっしゃい。
あっ俊君、今日は夕飯どうするの?」
私の問い掛けに俊君は嬉しそうな顔で、
「今日は、タマとご飯食べるって言って無かったっけ。」
"え〜っ、聞いてないし。"
と思いながらも、俊君の笑顔を見ていたら許せてしまう。
「ごめんね、覚えてなかった。
了解。じゃあ、私は実家に泊まるね。」
玄関に向かっていた俊君が、
「良いなA、帰るんだ。俺も行きたいな。
この間おじさんが、昔のアニメ観せてくれるって言ってたんだよな。
ちょっとコアだから、レンタルに無いんだよね。」
残念そうに言ってるけど、家の父親と話が合うのは、
"私以外は、俊君となっちゃんだけだから。"
と、心の中で突っ込んだ。
なっちゃんは俊君のお姉ちゃんで、私同様アニメ好き。だから話が合うんだけどね。
「お父さんには伝えておくから、ちゃんと玉森君との約束行きなよ。」
「大丈夫。タマとの約束は、絶対守るから。」
胸を張って言う俊君は、本当に玉森君の事が大好きだ。
彼女としては複雑だけど、俊君が幸せそうだから良いけどね。
「気を付けて行ってらっしゃい。」
私は玄関まで、俊君を見送りに行った。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時