検索窓
今日:16 hit、昨日:6 hit、合計:131,616 hit

幼馴染み 太輔 編 2 ページ14

Aside


春菜を安心させたくて言ったその言葉が、その後私達を苦しめる事になるとは、この時の私は思いもしなかった。




約束の時間が近付いて、春菜がソワソワしている。




二人が付き合いだして、三年以上経っているのに、未だに緊張する春菜は、本当に可愛いい。




暫くすると扉が開いて、




「春菜、お待たせ。」




優しそうな声が聞こえてきた。




「私達も今来たところだよ、太輔。」




太輔・・・その名前を聞くだけでドキッとして、俯いたままの顔を、上げる事が出来なかった。




「A、此方が私の彼氏の藤ヶ谷太輔君。そして友達の横尾 渉君。
太輔、渉君。この子が私の友達の早川Aちゃん。」




"藤ヶ谷太輔・・・太ちゃん?"




驚いて顔を上げると、優しい顔でこっちを見ている太ちゃんが居た。




「早川Aってもしかして・・・Aちゃん?」




「って事は・・・やっぱり太ちゃん・・・太ちゃんだよね。」




「懐かしいな。おじさんやおばさん、咲樹ちゃんは元気にしてる?」




「元気だよ。太ちゃん家は皆元気なの?会えるなんて思って無かったから、凄く嬉しい。」




久々の再会に盛り上がる私達に、




「太輔、悪いけど説明してくれない。二人で盛り上がってるけど、春菜ちゃんも俺も良く分かんないんだけど、今の状況。」




「ああ・・・ごめん渉。
実はAちゃんと俺、小さい頃家が隣同士で、彼女が引っ越すまで良く遊んでたんだ。」




「へぇ〜、じゃあ太輔とAちゃんは、幼馴染みなんだ。」




「そうなの?A。」




心配そうな顔で、私を見ていた春菜が聞いてきた。




「うん。そうなんだ。ごめんね。勝手に盛上がって。懐かしくてつい・・・。」




「ごめんな、春菜。まさか再会にするなんて思って無かったから・・・。
Aちゃんとは、兄妹みたいに毎日一緒だったから、つい懐かしくて、本当にごめんな。」




太ちゃんが、優しい眼差しで春菜を見つめていた。




「大丈夫だよ、そんなに謝んないで。
太輔とAが、知り合いだったなんて、思ってもいなかったから、驚いただけだもの。」




お互いを優しく見つめ合う二人は、誰が見てもお似合いだ。




「Aちゃんだっけ。せっかく太輔の幼馴染みに会えたから、色々教えてよ。太輔の小さい頃の話。」




隣に座っていた横尾さんが、二人を見つめる私に気付いて、小さい声で話し掛けてくれた。

幼馴染み 太輔 編 3→←幼馴染み 太輔 編 1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
設定タグ:キスマイ , 幼馴染み
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。