幼馴染み 太輔 編 2 ページ14
Aside
春菜を安心させたくて言ったその言葉が、その後私達を苦しめる事になるとは、この時の私は思いもしなかった。
約束の時間が近付いて、春菜がソワソワしている。
二人が付き合いだして、三年以上経っているのに、未だに緊張する春菜は、本当に可愛いい。
暫くすると扉が開いて、
「春菜、お待たせ。」
優しそうな声が聞こえてきた。
「私達も今来たところだよ、太輔。」
太輔・・・その名前を聞くだけでドキッとして、俯いたままの顔を、上げる事が出来なかった。
「A、此方が私の彼氏の藤ヶ谷太輔君。そして友達の横尾 渉君。
太輔、渉君。この子が私の友達の早川Aちゃん。」
"藤ヶ谷太輔・・・太ちゃん?"
驚いて顔を上げると、優しい顔でこっちを見ている太ちゃんが居た。
「早川Aってもしかして・・・Aちゃん?」
「って事は・・・やっぱり太ちゃん・・・太ちゃんだよね。」
「懐かしいな。おじさんやおばさん、咲樹ちゃんは元気にしてる?」
「元気だよ。太ちゃん家は皆元気なの?会えるなんて思って無かったから、凄く嬉しい。」
久々の再会に盛り上がる私達に、
「太輔、悪いけど説明してくれない。二人で盛り上がってるけど、春菜ちゃんも俺も良く分かんないんだけど、今の状況。」
「ああ・・・ごめん渉。
実はAちゃんと俺、小さい頃家が隣同士で、彼女が引っ越すまで良く遊んでたんだ。」
「へぇ〜、じゃあ太輔とAちゃんは、幼馴染みなんだ。」
「そうなの?A。」
心配そうな顔で、私を見ていた春菜が聞いてきた。
「うん。そうなんだ。ごめんね。勝手に盛上がって。懐かしくてつい・・・。」
「ごめんな、春菜。まさか再会にするなんて思って無かったから・・・。
Aちゃんとは、兄妹みたいに毎日一緒だったから、つい懐かしくて、本当にごめんな。」
太ちゃんが、優しい眼差しで春菜を見つめていた。
「大丈夫だよ、そんなに謝んないで。
太輔とAが、知り合いだったなんて、思ってもいなかったから、驚いただけだもの。」
お互いを優しく見つめ合う二人は、誰が見てもお似合いだ。
「Aちゃんだっけ。せっかく太輔の幼馴染みに会えたから、色々教えてよ。太輔の小さい頃の話。」
隣に座っていた横尾さんが、二人を見つめる私に気付いて、小さい声で話し掛けてくれた。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時