幼馴染み 宏光編 2 ページ2
Aside
「忙しいアイドル君が、何で居るのよ。」
少し嫌味を込めて言うと、
「たまには顔を出せって、母ちゃんが煩いから帰って来たんだよ。」
面倒臭そうに言う宏光に、
「そっか・・・おばさん、喜んだでしょ。」
「まぁな。
でも俺の顔を見る度に、"好きな子居ないの?"って、うるさくて仕方ない。」
宏光ったら、本当は心配されて嬉しいくせに。
「相変わらず、素直じゃ無いんだから。」
私が笑いながら言うと、
「お前こそ、相変わらず煩い奴だな。」
そう言って部屋に入って行った。
"せっかく久々に会えたのに、怒らせちゃった。"
落ち込んでいると、缶ビールを持った宏光が、再びベランダに出てきた。
「今日も一日お疲れさん。」
そう言って宏光は、私の缶酎ハイに乾杯して飲み始めた。
「お疲れ様」
私もそう言って、持っていた缶に口を付けた。
突然宏光が、
「なぁA。
何時も有り難うな。母ちゃんの話し相手をしてくれて。」
照れ臭そうに言う宏光。
こういう優しいとこ、小さい頃から変わんないな。
「違うよ。私の方が、話を聞いて貰ってるんだよ。うちの母さんと違って、おばさんは優しいんだもん。」
「そうか?うちの母ちゃんより、おばさんの方が優しいと思うけどな。」
「それは宏光だからだよ。うち三姉妹じゃん。母さんずっと"男の子は良いわね。優しくて。"って、おばさんに愚痴ってるもん。」
口を尖らせて私が言うと、
「そう言えば昔からおばさん"Aは口が悪い"って、嘆いてたもんな。
お前、少しはおばさんに優しくしてやれば。」
優しい笑顔の宏光に、
「私は十分優しくしてるけどね。」
宏光の笑顔にドキッとした事が恥ずかしくて、下を向いて答えた。
「お前って、本当に素直じゃ無いよな。
昔からAは、好きな相手ほど口が悪くなる。」
「ごめんなさいね。可愛いげが無くて。」
ふて腐れた様に、缶酎ハイをゴクゴク飲むと、
「まぁ、俺もAの事言えないけどな。
好きな奴ほど、意地悪したくなるから。」
そう言った宏光の顔が、何時もの強気な宏光と違って戸惑っていた。
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作者名:紅廉 | 作成日時:2016年3月8日 3時