【名探偵コナン】原作を見守ることに命かけてますから！２

不安定な人：sideバーボン ページ9

sideバーボン


今回の任務は取引。

よりにもよって、カルバドスと組まされた。

あいつとは、あの時以来会ってない。



今でも覚えている。

あの時、スコッチが死んだ時に見せた、何の感情も写さない瞳。

あいつは、スコッチの死に何も感じていなかった。

ライがノックだとわかった時もそうだ。

あいつは何の反応も示さなかった。


僕自身、最初に言ったじゃないか、あいつは危険な男だと。

だが、四人で組むことが増えてから、そんな考えが薄れていった。

あいつは、さりげなく僕たちを気遣っていた。

他の幹部と違って常識的だった。


いや、まともに見せていただけだ。

あいつは変装だって得意で、常識的に振る舞うことなんて簡単だ。

僕はそんなことも忘れていた。

こんな組織の幹部がまともなわけないじゃないか。


ライやスコッチ、そして僕のことも、あいつは何とも思っていないのだ。

あいつは他人なんてどうでもいいのだ。



取引相手との交渉も無事に終わり、僕らは泊まっているホテルへと帰っていた。

貴「バーボン、ちゃんと休んでいますか？」

スコッチが死んでから、まともに休んでない。

正直、かなり疲れている。

だがこいつにそれを指摘されるのは癪だった。


バボ「任務に支障は出しませんし、あなたに心配される筋合いもありません」

だからそう言ってやったら、突然腕を引かれた。

ﾄﾞｶﾞｯ

奇襲！？ここまで近づかれて気づかなかったなんて！


現れたのは四人の男。

僕は苛立ちも込めて男二人を殴り倒した。問題ない、正当防衛だ。


ｶﾞｯ

突然、あいつが焦った声を出したかと思えば、後ろから何かを殴る音が聞こえた。

そして、何かが倒れる音も。

僕はあいつに、カルバドスにかばわれた。



幸い、ホテルに運んだあとカルバドスはすぐに目を覚ました。

僕は何故か、かばわれたことにイラついていた。

だから聞いたんだ、なぜ僕をかばったのかを。

お前は他人なんてどうでもいいんだろう？


貴「これ以上、誰もいなくなって欲しくないんですよ！！

ライもスコッチもいなくなって、バーボンまでいなくなったらッ……」

そう叫んだカルバドスは、いつになく苦しそうで、あの無機質な瞳は、不安そうに揺れていた。


これも、演技かもしれないじゃないか。

僕を動揺させて楽しんでいるだけかもしれないじゃないか。

そう思うのに……。



この日以降、僕はちゃんと休みを取るようになり、スコッチが死ぬ前の余裕も取り戻していった。

彼から見た彼女：sideスコッチ→←戦闘終了！

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