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おねだり 2 ページ5

*


グリム君は文句を言いつつもその耳はしゅんと垂れていて、デュース君も明らかに落ち込んだ様子だ。毎度の事ながら何だか罪悪感が湧いてくる。だからといって触らせてはあげないけど。


「そもそも、ゴーストに体調不良とかあんの?」

「あるある。なんかね、今日は片脚が消えかかってるの」


怪訝な面持ちのエース君には悪いけど、私は再びしれっと嘘を吐く。ゴーストに体調不良なんてものはない。もしも意図せず消える事があるとすれば、それはもう成仏目前のゴーストだ。

だけど、やはりエース君は納得がいかないようで。彼は眉を顰めたまま腰を屈めて、私の太腿あたりに向かって手を伸ばしてきた。


「でもAの脚、普通にあるじゃん。いつもと変わらなくね?」


伸びてきたエース君の手の平が、さらりと私の左腿を撫で上げる。


「──ひゃあっ?!」


突然伝わって来た人の温もりに、私の口からは変な声が零れた。


「──っ!A、声えっろ!」

「お、おい、エース!?何をやってるんだ!」

「そうだゾ!お前だけ狡いんだゾ!A、オレ様にも触らせろ!」

「グリム、それ今言うことじゃない」


感嘆の声を漏らすエース君にデュース君は声を上げる。グリム君は怒るというより妬んでいるだけのようでユウ君が冷静にツッコミを入れている。

そんな彼らを意に介してない様子のエース君。それどころか、彼はとんでもない事を言ってのける。


「Aの脚って柔らかいんだな。冷たいんだけど、なんかこう癖になりそう」

「──っ!」


私に触れたその手と私の顔を交互に見て、したり顔をするエース君。そんな彼からサッと少し距離をとった。

脚なんて、リーチ兄弟に散々撫で回されているというのに、やっぱり私の心も身体もそういったことにはまだ慣れていないようで、なんだか今は怒りよりも羞恥の方が勝ってきていてた。

血なんて通っていないのに、全身の血液が顔に集まってくるのを感じる。


「──も、もうっ!女の子の脚に勝手に触るなんて最低!変態!エース君なんて大っ嫌い!呪ってやる!」


恥ずかしさから、吐き捨てるようにそう言って彼らに背を向けた私は、瞬間移動をしてその場を後にした。


「あ、ちょっと!」

「待つんだゾ!」


だから、デュース君達が引き止めようと私に向かって手を伸ばしていた事も、エース君が母親に叱られた子供のような顔をしていた事も私は知らない。

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(プロフ) - コメント失礼致します。ゴーストちゃんと生徒たちの関係性がとても可愛くて続きが気になります!ゴーストちゃんにはいろんな愛を感じて幸せになってほしい……!お身体に気をつけて、無理せず更新頑張ってください!応援しています! (2020年7月18日 15時) (レス) id: 791ebcf5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話し続きが気になる (2020年6月28日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくる | 作成日時:2020年6月26日 18時

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