３５話 もう一度 ページ36
鏡花さんは、抱きしめていた手を離し、深呼吸をし、話し始めた。
鏡花「Aは、前にもここの時代にはきてたんだ、もちろん僕にも会ってたよ。その頃あんたは、川上の所で芸者見習いとして、お酌してたりしてた。そこで、僕もあんたからお酌してもらったりしたっけ」
ははっと笑う鏡花さん。
だけど、顔は笑ってはいなかった。
前にもそのことは少し聞いたけど…
鏡花「それから、色々僕とあんたは関わったよ、半分川上のせいだけど…。三人で出かけたり…た、たまにはあんたと二人で出かけたことも会ったけど！？」
さっきの顔とは変わり、懐かしそうに、少し照れていた。
そのことを聞くだけで、私まで恥ずかしくなった。
その記憶がないことが悔しくなった。
鏡花「……それから…」
貴方「…？」
鏡花さんは少し黙り込んだ。
私はどうしたのか聞こうとすると、同時に
鏡花「…あんたは元の時代に帰ったんだよ。」
貴方「え……」
鏡花「あんたが帰った日はね、縁日だったから、一緒に行こうと思ってた。でもね、あんたを見つけたら、あんたは泣いてたんだ、それで僕は心の中では悟ってたんだ。ああ、もしかして帰るんじゃないかって」
苦しそうな表情の鏡花さんを見ると、何も言えなかった。
いや、そのことを聞いたから、もっと言えなかった。
鏡花「…しかも、その日は真っ赤な満月だったんだ。いつもなら綺麗なはずの満月が、その時はとても憎たらしかった…」
そこから黙り込んでしまった鏡花さん。
もう、これで話は全部なんだろう。
赤い月、縁日…。
私がここにきた時の条件とぴったりで、驚いた。
もしかしたら、あの日、私も平成の時代でここにきたいと願ったのだろうか？
心の奥底から、何かでかかっているのに…。
貴方「…そう、だったんですか。でも、鏡花さん、一つまだわからないことがあるんですが…」
鏡花「何？」
貴方「私と鏡花さんは、どんな関係だったんですか…？」
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亜零已 - 更新楽しみにしてます！ (2021年10月19日 20時) (
レス) @page39 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
いのゆき - 続きすごく気になります〜>∀< (2019年10月8日 4時) (レス) id: 313aeafdcd (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - リャさん» はい、更新しますよ、遅く泣くかもですが…すみません (2015年9月25日 18時) (レス) id: 89ec7003cc (このIDを非表示/違反報告)
リャ - 待ってます!!(.^^.**) (2015年9月25日 17時) (レス) id: 45915e9473 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - リャさん» ありがとうございます！！近々更新する予定なので！ (2015年8月20日 14時) (レス) id: 89ec7003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊?*みぃ*?＊ | 作成日時：2014年12月4日 21時
