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私が何も言えなくて、黙り込む中、
ようやく交わる視線。
顔を上げて見えた永瀬くんの表情は、私の予想通り。
心配そうに、辛そうに。
私を見つめる、永瀬くんの顔。
「…気付かへんかった、…ごめん。」
見たくなかったその顔に、ずきん、と痛む胸。
そんな顔、しないで。
こういうとき、何て言えばいいのか分からなくて。
苦しくなる胸で、永瀬くんを見つめながら、
必死に、左右に首を振って、“永瀬くんのせいじゃない”を、伝える私に、
頬に時折伝わってくる滴を、指先で掬い取るように、撫でる永瀬くんが、
「―…もう大丈夫やで、」
いつもの優しい声で、私の顔を見つめて、
苦しい顔をしている中で、笑顔を作って、微笑むその姿に。
頬を拭うその指先の温かさに、安心して。
「……な、がせ…くん」
小さく呟いた言葉とともに、
今まで堪えていたものが、一気に溢れてくるように、こみ上げて。
ぶわ、と瞳に溜まる涙。
視界が一瞬ぼやけて、今度は、冷たい水ではない、
涙が、頬を、伝って、永瀬くんの指先に落ちる。
今まで、泣かないように。
力を入れていたのかもしれない。
永瀬くんを前にしたら、途端に、力が抜けて。
ぽろぽろと、次から次へと流れ落ちる涙が、止まらなくて。
濡れた制服だけじゃなくて。
表情まで、ぐちゃぐちゃになってしまう私。
そんな私を、ぐいと引き寄せて、力いっぱい、抱き締める永瀬くんの腕。
痛いくらいにきつく抱き締められた体。
耳元に近付いた永瀬くんの声は、
「…こういう事は、はよ言えや…アホ。」
呆れたように、でも、弱い声で。私を叱る、永瀬くん。
でも、そんなことより。
ぎゅう、と密着した私の体が、永瀬くんの制服を濡らしてしまう気がして。
「あ、の……永瀬くん…濡れちゃう…」
ぐすん、と涙で途切れ途切れになりながらそう言って、
永瀬くんの体を押すけど、全然動かなくて。
むしろ、背中に回る永瀬くんの腕は、力が籠って、全く離れそうにない。
「別に濡れてもええよ、俺がこうしてたい。」
耳元で聞こえる永瀬くんの優しい声に、
ドキドキと、早くなる心臓の音が、身体中を火照らせて。
流れて止まらなかった涙が、少しだけ収まってきて、
でも、抱き締める永瀬くんの腕の力は緩まなくて。
私は、永瀬くんの彼女でいて、良いんだ。って実感する。
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れもか♪ - 廉君かっこいい！これからも頑張ってください！大好きです♪ (2017年3月3日 19時) (
レス) id: 4834f7419d (このIDを非表示/違反報告)
#土筆(プロフ) - この作品大好きです！！廉くん、かっこよすぎて死にそうです笑 もうトキメキまくってます！これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2017年1月7日 23時) (レス) id: 55722025e8 (このIDを非表示/違反報告)
北萌(プロフ) - あけましておめでとうございます！この作品大好きです！更新待ってます！ (2017年1月4日 21時) (レス) id: a2cc09170c (このIDを非表示/違反報告)
心愛(ここあ)(プロフ) - 明けましておめでとうございます。お話に引き込まれますね( ´艸｀)花澄*。さんの世界観大好きです！これからどう展開していくのか…更新楽しみにしています(≧∀≦) (2017年1月4日 10時) (レス) id: 5d24ad16bc (このIDを非表示/違反報告)
piyochan. - なになになにどーゆう関係なの！！笑めっちゃ気になる笑 (2017年1月3日 2時) (レス) id: 8558eeec56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花澄*。
| 作成日時：2016年12月17日 18時
