将来のこと ページ43
昼を食べ終えた二人は今度は何をしようかと話し合っていた。
「どっか行きたいところでもある？A」
「あ、外は…。」
言い渋るAを見て、ハッと口を押えたフロイド。
そうだった。
Aはこの学園に守ってもらう為に来ているのに、外なんか出たら誰かに狙われてしまう。
わざわざあんな狭い部屋で、防御魔法を使ってまで身の安全を保証されないと生きていけないのに。
迂闊なことを口走った自分に怒りを感じるフロイド。
「……ごめん。」
「い、いえ！こちらこそすみません…。私が自分で身を守れるユニーク魔法持ちならこんな事には…。」
「でも、それって仕方ないじゃん〜？ユニーク魔法って一人一人違うしさぁー。Aが偶然、そのユニーク魔法になったってだけでさぁ、狙われるとか…。ほんと、Aが可哀想…。」
シュンとしてしまったフロイドに慌てた様子でAは口を開く。
「だ、大丈夫ですよ！今までもどうにかなってきたんですから！」
「でもどうにもならないからあんな狭い部屋に押し込められてたんでしょ〜？」
「…。」
暗くなりそうな話にAは咄嗟に今考えついた事を口走る。
「え、えっと…！ フロイド！泳ぎの練習に付き合って貰えませんか？！」
「え？そんな事ならいくらでもやるけど〜…」
「じゃ、じゃあ！行きましょう！ えっと、着替えは…」
フロイドの手を引き、歩き出そうとしたAだったがフロイドがAを持ち上げたことでそれを阻止される。
急な彼の行動に目を瞬かせたAは、フロイドを見た。
「フ、フロイド？」
「ごめん、Aに気ぃ使わせちゃったよね。」
「いえ、元はと言えば私が悪いのですから。」
「でも…、でもさ。やっぱりAは悪くないよ。悪いのはそれを悪用する大人でしょ？」
「フロイド…。」
「だから決めた。俺、ちゃんとAを守れるくらい勉強頑張る。真面目に勉強するから。」
見つめたフロイドの瞳には決意が宿っていて、熱い眼差しでAの瞳を見ていた。
「将来のこと、何にも考えてなかったけど。でも、Aと一緒に居るってなったらやっぱ、今のままじゃダメだって思うからさー。」
「…ありがとう、フロイド。」
「へへっ。俺、いい事言った〜？何Pt上がったー？」
「…さっきのでプラスマイナスゼロです。」
「えぇ？！そんなぁ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
