モストロラウンジ ページ19
「3番テーブル、季節のパフェ入ります。」
「Aちゃん、こっちもオーダーお願い!!」
「はーい!!お待ち下さいね〜」
モストロラウンジは今日も賑やかである。いつも盛況を見せているこの店はアーシェングロットさんが経営しているらしい。彼の才能は本当に凄いな、と純粋に尊敬する。
「5番テーブル、ケーキセットとサンドイッチセット入ります。」
「Aちゃん、これ3番テーブルに!!」
「はい、わかりました。」
記憶力が割と良い私にはオーダーをこなすのは得意であった。勿論植物由来のものであれば調理も得意だし、将来はこういったお店で働くのもいいかもしれない。
「あ、アーシェングロットさん。お疲れ様です。」
「お疲れ様です、Aさん。Aさんが来てからやはり売り上げは右肩上がりですよ。ふふっ」
嬉しそうに微笑むアーシェングロットさんに私も笑いかける。そう言われるとやる気が出るというもの。それに可愛らしいウエイトレスの制服も作って貰えたので、本当に彼には感謝している。
「この調子でお願いしますね。」
「はい。頑張ります、社長。」
「ふっ、あはは!!社長とは大きく出たものですね、私も。」
「ここの支配人なら大きく出ても大丈夫かと。」
「ふっ、ありがとうございます。」
笑いすぎて少しばかり涙を浮かべる彼に苦笑を滲ませていると後ろから誰かに抱きつかれる。
「うわ、」
「アズール〜…ジェイドが呼んでた〜」
「ふっ、わかりました。あとは任せましたよ、フロイド。」
「早くあっち行って」
「はいはい。お前と言うやつは……嫉妬も大概にしておけ。」
「ふん…」
手をヒラヒラさせ去っていく彼の後ろ姿を見ているとフロイドさんに余計に絞められる。
慌ててその手をペチペチ叩けば少し緩まる。
「……辛くない?大丈夫?」
「大丈夫ですよ。寧ろ仕事をしてみて、私がこういう仕事が向いているんだって実感しているところなんです。」
「へぇ〜。どういうところが〜？」
「オーダーを覚えられますし、調理も植物由来のものであれば調理も可能です。将来はこういった場所で働きたいなと思いまして。」
「ふ〜ん……。そうなんだぁ〜」
「フロイドさん?大丈夫ですか?ボーッとしてますけど…」
「大丈夫じゃないからこうやって抱き着いてるんだけどぉ〜？」
「どうしたら治りますか？」
「暫くこうしてたい……」
「それなら幾らでも…と言いたいですが仕事の後にしましょうか。」
「…わかった」
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
