真っ赤になるアズール寮長 ページ12
「あ、あの…巻き込んでるのは私で…」
「ルリハタちゃん、ストップ。」
俺がそう言えば困った顔で見てくる。
その頭を不器用に撫でると悲しそうな顔をされた。そんな顔させたい訳じゃねぇのに。
「アズール〜、ルリハタちゃんを寮で預かりたいんだけどォ？」
「は？お前はまた…。」
「アズール。フロイドがなんの理由も無しにAさんを振り回すとは思えません。中で話を聞きませんか?」
「分かった。だが先に職員室に行ってこい。話はそれからだ。」
「えぇ〜?多分職員室に行ったら俺達帰って来れないと思う。」
「??どういうことだ?」
「ちょっとここでは話せないんだよねぇ〜？」
チラッとルリハタちゃんを見ると罪悪感からか顔が俯いてしまっており、その表情を垣間見ることは出来そうに無い。
「…何かあったんだな?分かった、話はVIPルームで聞こう。ジェイド人払いを。」
「かしこまりました。」
いつもの胸に手を当てる所作をしてから鏡の中に入った片割れを見てからアズールを見る。
顎で鏡を促され中へと入る。ルリハタちゃんはずっと俯いたままだったが俺の服を握りしめる力は強くなっていた。
大丈夫、俺達が守るから。怖くない。
そういう意味を込めて抱き上げた彼女の頭を撫でる。
完全に眉を八の字にして、困った顔をしている彼女に笑ってやると僅かに笑ったので今はとりあえずそれで良しとする。
「…で、何があった?」
「実はかくかくしかじかでぇ〜」
俺がソファに座り掻い摘んで話している間、ルリハタちゃんは俺の腕の中で縮こまってたんだけど視線はあちらこちらにやっていて、明らかに動揺している感じだった。
「なるほど…。まあそうだろうなとは思っていましたが…これほどまでとは。で、あなたはどうしたいんですか、フロイド？」
「俺は…ルリハタちゃんを守りたい。閉じ込められてるだけの生活なんて可哀想だし〜…、脅えてるだけの生活も考えらんない。それにぃ〜？どうせルリハタちゃんは俺と番になるんだし、今から部屋に連れ込んでも問題ないでしょ〜？」
「問題は大アリです!!相手は女性ですよ?!もう少し配慮したらどうです?!」
顔を真っ赤にして机を叩くアズールに笑いが零れる。相変わらずアズールはこう言った話は苦手みたい。
「あ、貴女はどうなんです?!恋人でもない人の部屋に連れ込まれるなど嫌でしょう?!」
「…それよりも皆さんにご迷惑かける方が…」
「そ、それよりも…だと…?!最近の女性はこれが普通だと言うのか…?!」
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
