75 ページ27
.
会議室の前に到着したAは、ただならぬ雰囲気を察した。
ライフルを担いだニラギがこちらに気付き、口を開きかけたところで後ろからチシヤが現れる。
「…どうしたの……」
「んん、一大事ってところかなぁ。」
チシヤがニラギの視線を遮るようにAの隣に立つ。
アリスとウサギが慌てた様子で向いから歩いてきた。
「どっから湧いてきた?呼んでねえぞ。」
「彼は、俺が呼んだ。」
「なあ。勝手にメンツ揃えんなよ。」
ぴりぴりとした空気が流れる。
アリスがウサギと別れ、チシヤに小さな声で何があったと尋ねた。
「さあね。結構ヤバいことだろうね。」
両開きのドアを開け中に入ると、しんとした空気の中に幹部たちが集まっていた。
テーブルの上に、誰かが寝ている。
ーー違う。寝ているのではない。
ビーチの主が、死んでいる。
「っ……」
穏やかな表情で横たわる彼は、人形のようだ。
見たくないのに目が離せない。
言い表せない感情がぞわぞわと這い上がってくる。
遅れて入ってきたアンが眉間に皺を寄せてボーシヤに触れようとすると、ニラギがそれを制止した。
痛々しく残る胸の弾痕。
ゲーム会場付近で銃声を聞いたものがいた、タッタがそう伝える。
「……」
次のリーダーを誰にするか、そう揉めている中、小さく震えるA。
こんなにも動揺している自分に驚いた。
彼は、権力で自分を手籠にしようとしていたのに。
どうしてこんなにも悲しいのだろう。
.
231人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おこめ(プロフ) - はーとさん» 勿体ないお言葉😭😭嬉しいです!チシヤの可愛い口、表現できてますかね…?!主人公ちゃんも反対の位置にほくろがあるんです(*' '*)気まぐれにイラストあげるかもしれないのでまた見てやってください🥹 (2023年2月20日 23時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - おこめさん» お大事に( ᵒ̴̶̷̥́ωᵒ̴̶̷̣̥̀ )てか絵が上手すぎません?!チシヤの口が可愛い🤍 ̖́-夢主ちゃんもホクロがあるんですね! (2023年2月20日 22時) (レス) @page45 id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - はーとさん» はーとさん、お心遣い感謝です(;;)リハビリも兼ねてゆっくり執筆していきますのでどうぞよろしくお願いいたします🐈💐 (2023年2月20日 22時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - おこめさん» 事故💦怪我が早く治りますように(T ^ T)更新も楽しみにはしてますが、無理せず頑張って下さい (2023年2月20日 16時) (レス) @page44 id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ayaさん» ayaさん、いつもコメントありがとうございます!甘々チシヤ、完全に作者の好みなのですが、お気に召していただけたようで幸いです🐈大切に執筆している作品なのでそう言ってくださるととても嬉しいです( ´͈ ᵕ `͈ ) (2023年2月2日 22時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おこめ | 作成日時:2023年1月27日 1時