M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 上 (ページ38)

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第十三話① ページ38

氷の剣が仁人の首をはねようとした、その瞬間。

柔太朗とハヤトめがけ、大きな雷鳴と共に青い稲妻が駆け抜けた。

雷に打たれた二人は吹き飛び、その体を勢いよく地面に叩きつけた。

ハヤト「ぐふっ…！なんだ…？！今のは…？！」

太智「効いただろ？！俺の雷！！」

声のする方を見ると、先ほど逃げたはずの太智が遠くの物陰からこちらを見ているのが見えた。

ハヤト「お、お前は…！！逃げたんじゃなかったのか？！」

太智「バカだなー！誰が仲間を置いて逃げるかよ！！！」

仁人「太智！よくやった！！」

太智は満面の笑みで、親指を立ててサムズアップを仁人達に送った。

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昨晩のこと―。

仁人「作戦は以上だが、もし、何らかの形でこの陣形が崩されたときのことも説明しておく」

瑞生「バックアッププランだね」

仁人「あぁ。その時は、私たちはとにかく太智を逃がすことに全力を尽くす」

太智「な？！俺に皆を置いて逃げろっていうのか？！んなことできるわけ―」

仁人「まぁ待て。話はこれからだ。太智は逃げた"フリ"をするだけだ」

舜太「逃げたふり？」

仁人「きっとあの魔王のことだ。太智が逃げれば『ふはは！雑魚め！追う価値もない！』とか言ってくるだろう」

舜太「あははっ、似てるかもー！」

仁人「そして、逃げたと思わせといて油断したすきに、遠く離れたところから魔王に一撃を食らわせてやれ！」

太智「なるほどー。それならうまくいくかも！！」

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