M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 上 (ページ36)

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第十二話② ページ36

ハヤト「ふはは！騙されるほうが悪いな。お子様はそこでおねんねしていろ」

仁人「琉弥？！く、くそ…！」

太智「み、皆を放せ！！」

ハヤト「ん？お前はあの時何もせず気絶した奴じゃないか。今度は気絶では済まさんぞ」

太智「！！」

太智の呼吸が乱れる。

胸が締め付けられ、上手く呼吸することができない。

仁人「や、やめろぉおお！！チェスト！！！」

仁人は何とか力を振り絞り、少しだけ動く左腕からありったけの光を魔王の後頭部めがけて放った。

ハヤト「邪魔をするな！」

しかしその光は漆黒のマントにかき消される。

太智「はぁ…！はぁ…！」

魔王の気がそれたことで能力が解除され、苦しみから解放された太智は、恐怖のあまり震えて尻もちをついてしまった。

太智「あ、あぁ…、た、助けて…、やだ…し、死にたくない…！！」

ハヤト「ふっ、哀れなやつだ。仲間に助けてもらったくせに、何もできずにそうやって怯えるだけとは」

仁人「に、逃げろ…太智…！」

太智「う、うわぁあああ！！！」

太智は頭を抱えて叫び声をあげると、魔王や4人の勇者たちを置いて、逃げだしていった。