第十五話�� ページ46
終焉の谷。
そこは周囲を毒の沼が覆い、空気は蒸発した毒で侵され、生き物はおろか草木の姿もほとんど見えない。
仁人「すごい瘴気だな…。それにこの毒の沼…。ここを渡れるのは琉弥と舜太だけだな…」
琉弥「皆大丈夫？この毒、あんまり吸うと死ぬかも」
太智「う、嘘だろ？！俺さっきからめっちゃ吸ってるんだけど！！」
琉弥「死ぬは言いすぎたかな？心臓が止まるぐらいで済むかも」
太智「一緒だよ！！！」
勇斗「安心しろ。俺たちの周りは俺が新鮮な酸素を送り込んでいるから、この瘴気は気にしなくていい」
太智「きゃー！勇斗お兄様ー！大好きー！」
勇斗「やめろ馬鹿！引っ付くな！」
舜太「うーん。俺の炎は毒を消せるから、この沼に向かってボレーシュート！すればええ？」
勇斗「それもやめといたほうがいいな。この瘴気のガスは、恐らく可燃性だ。炎で引火してこの辺一帯は大爆発。俺たちは一瞬で灰になるだろうな」
太智「ガスねー。まるでおならだな！ぷっぷぷーって！」
舜太「あはは！太智君おもろい！！」
琉弥「もう一回やってー！！」
仁人「冗談を言っている場合ではないぞ！ここを渡れないと、向こうの谷にはたどり着けないっていうのに…。ここまで来て打つ手なしとは…」
柔太朗「打つ手ならある」
仁人「え？」
柔太朗は沼の前に立つと、両手を前に突き出した。
柔太朗「この沼を渡れればいいんだろ？」
そう言うと、沼はどんどん凍り付いていき、向こう岸まで続いていく。
柔太朗「よし、これで渡れるな」
毒の沼は全て凍り付き、その上を歩けるようになった。
仁人「じゅ、柔様ー！！」
琉弥「すごーい！！」
舜太「かき氷食べ放題やん！！」
瑞生「太智、ソリになって。僕が乗るから」
太智「何で？！！」
勇斗「おお、すごいな！どんな能力なんだ？！」
柔太朗「言ってなかったか？俺の勇者の力は、冷気を操り水分を凍り付かせる能力だ。水分さえあればどんなものでも凍り付かせることができる」
仁人「なんと頼もしい…」
柔太朗「今日の俺、何点？」
6人「100点！！」
そして7人は毒の沼にできた氷の上を渡り、大きく口を開けた谷に辿り着いた。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
