検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:55,908 hit

*25 ページ25

あれから特に変わったこともなくいつもの日常を過ごしていた。
明日からはテスト期間だ。俺はそんなにがんばらなくてもそこそこの点がとれる。よってテスト期間はいつも、勉強しつつも動画の編集をしていた。

シ「んし、帰るか。」



俺が帰ろうとすると、背中から声をかけられた。


『シルク〜。お願いがあるんだけど……。』




Aか。俺に頼みごとなんて珍しいな。
修学旅行以来、Aはマサイと二人で帰るようになった。マサイはもともと写真部で、それを追っかけるようにAも写真部へ入った。表立って活動するのは文化祭くらいで、それ以外の時はほぼ帰宅部に等しい。そういやこないだの文化祭も二人は風景写真を展示していたっけ。
なんて俺が考えていると…




『シルク?だめかなぁ?』




好きな子に困った顔で見つめられて断るやつはいない!




シ「なんだ?言ってみ?」




『勉強教えてほしいのっ!』



  ーーーーーーーーーーーーーーー


なんだこの状況は……。てっきりAと二人きりで勉強するもんだと思ってたのに。
俺の前には必死で問題集を説いているマサイとAがいる。




『シルク、ここの証明問題がわからなくて……』



シ「あ〜、、これはXをここにあてはめて……」



マ「シルク!この時のリカさんの気持ちを答えよって、俺女じゃねえからわかんねぇよ!」




シ「マサイ、お前の気持ちはどうでもいい。文章の中に答えがあるから見つけるんだよ。」



つまりこういうことらしい。マサイは理系が得意だが、文系がめっぽう弱い。Aは文系が得意だが、理系は苦手。お前ら教え合えばいいじゃねぇか!と突っ込むと、"得意だけど感覚でできるから上手く教えられない"だそうだ。二人に子犬のような目でお願いされた俺は断れるずに今に至るってとこだ。




シ「お前ら、もうこんな時間だぞ。」




『ほんとだ。夕日だねえ笑』




マ「やっべ!俺母さんに買い物頼まれてたんだった!怒られる!シルクAちゃんのこと、よろしくな!」



シ「おぅ、また明日な!」



『マサイくん、バイバイっ!』





シ「じゃ、帰るか。Aは家どこだっけ?」


『大丈夫だよ!まだ暗くないし、一人で帰れるから。』


シ「マサイに頼まれたのに、お前になんかあったらあいつに合わす顔ねぇわ。」


俺も一緒に帰りたいしな。


『じゃあ、お願いします。』


シ「ん。」

*26→←*24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:milkcrown | 作成日時:2018年12月18日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。