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今日は修学旅行最終日だ。市内を観光して土産を買って帰るって日程。天気もいいし、体調もばっちりだ。
けど、昨日水族館で見た光景が忘れられない……。イルカの水槽の前でAとマサイが楽しそうに話してた。マサイが人前でベタベタするとこなんて想像もしていなかったが、Aは嫌がっているようには見えず、むしろ嬉しそうに手を繋いでいた。



『シールク?どうしたの?体調でも悪い?』


いつの間にか目の前にAがいた。考え過ぎて、近くに来ていたことに気が付かなかった。俺はあわてて首を振る。

シ「んなことねぇよ?元気だよ!」


『よかったー!今日は市内観光でンダホくんと考えに考え抜いた、選りすぐりの食べ物屋さんに行くんだからねっ!シルクも一緒に食べるんだよ?』

シ「A細いわりにンダホ並に食い意地張ってるからなぁ。」


俺はニシシと笑うと頭をクシャクシャと撫でてやる。


『だってせっかく食べるならおいしいもの食べたいし……』


シ「そだな!最終日楽しもうな!」


『ぅん!あっ、ンダホくーん!モトキくーん!最初の店は………』


Aはンダホとモトキを見つけると、走っていった。二人で真剣に効率の良い周り方について話してたからな。


キョウコ「シルク?大丈夫?」


シ「何が?」


キョウコ「昨日、あの二人見かけてからシルク、ずっと考え事してるみたいだったから平気かな?と思って。」


こいつもうるさいだけと思いきや、ちゃんと俺のこと見て心配してくれてんだよなぁ。そういやこいつと今日で終わりにするんだった。もうちょっと優しくしてやんねぇとな。


シ「大丈夫だよ。ありがとな!」


そういって俺はキョウコの頭を撫でてやる。


キョウコ「昔のシルクだ……」


シ「えっ?」


キョウコ「高校1年の頃ね、あたしがシルクを好きになる前。よくこうやって笑いながら頭撫でてくれた……。」



シ「そうだっけ?まぁ、今日は思いきり楽しもうぜっ!」


キョウコ「シルクはやっぱり元気な方がいいな♬」


シ「よし、行くか!」


俺らは走ってA達が待つ場所へと向かった。

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作者名:milkcrown | 作成日時:2018年12月18日 15時

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