序幕 1 ページ2
ある何時もの昼下がり。
少年_中島敦は、事務所で書類整理をしていた。
組合との戦いも終わり、ポートマフィアとの休戦協定は結ばれたままだし、この頃は平和な毎日が続いている。
さながら、わんのような…こほんこほん。
「今日のお昼は何にしようかなあ」
「湯豆腐」
「鏡花ちゃん、それは勘弁…」
鏡花の要望に応えることはできないだろう。
敦も、鏡花自身も普通の日に贅沢ができるような、そんなお金はない。
「それなら今日もうずまきですかね」
「そうだね〜ナオミはなにがたべたい?」
「ん〜ナオミは兄さまが食べたいですわぁ〜♡」
賢治、谷崎兄弟も会話に乗っかってくる。
少々教育に悪いため、とっさに鏡花ちゃんの目と耳をふさぐ。
「みえない、きこえない」とボヤかれるがしょうがない。これが鏡花のためなんだ。と、自分に言い聞かせた。
「昼休憩の時間だ。俺は少し出るが、来るか」
その会話を聞いていたのか、国木田がデスクから声を飛ばす。
おなかもすいていたので二つ返事で返した敦。鏡花、その他三人も同じように返す。
ああ、今日もうずまきなんだろうな。今日のランチは何にしようかな。
などと、幸福に浸っている間に、国木田は先に行ってしまった。
「行こう」
「ああ、ごめんごめん。今行くよ」
鏡花がそんな敦を数秒見つめてから声をかけた。
賢治、谷崎兄妹も先に行ってしまっている。
追いかけるように、階段を下る。
一階にあるご存知、探偵社御用達の喫茶うずまき。
其処には、国木田達探偵社の面々と、過度のほうの一人席に一人の女性が座っていた。
お昼時だというのに、珍しく人が少ない店舗内に少し寂しさを感じながら、席に着く。
「今日は人が少ないんですね」
「ああ、近くに大型のショッピングモールがオープンしたらしい。客が流れたんだそうだ」
既に店主に話を聞いたのであろう国木田が答えた。
ということは、奥に座っている女性も常連さんなのだろうかなどと敦は考えるが、今までに見たことのない女性なのは確かだった。
敦と鏡花以外は既にメニューを決め終わったのか、メニュー表を手渡させる。
お昼にはランチメニューが付いており、そのご飯がそれまた、コーヒーに負けづ劣らずの評判なのだ。
昨日はオムライスを食べた。では、今日はナポリタンにしよう。
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みぃ(プロフ) - 紅羽さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2019年1月18日 22時) (レス) id: 48f4ee6765 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽 - とっても面白いですね!更新頑張って下さい!応援してます! (2019年1月11日 20時) (レス) id: a17c6e8d22 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - yamamia38さん» こちらこそありがとうございます! 更新遅くて申し訳ございません。これからもよろしくお願いします! (2018年12月18日 18時) (レス) id: 48f4ee6765 (このIDを非表示/違反報告)
yamamia38(プロフ) - ヤバい!面白いですね!投票とお気に入り追加させていただきました!太宰さん推しだから嬉しいです。有難うございます! (2018年12月16日 22時) (レス) id: bb32575fc9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 青森県と大阪府さん» コメントありがとうございます!ちょっと今日本にいないので更新はできないので、ごめんなさい。勧めてまでくださり…照れます。これからも、よろしくお願い致します。 (2018年10月23日 23時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)
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