第三十話 安全運転 ページ35
SIDE OSAMU DAZAI
「中也、大丈夫かい？」
「ああ、大、じょうぶ…じゃねぇ」
私が中也に刺さっているナイフに触れるとさらさらとそれは砂のように消えてしまった。跡形もなく消えてしまったので中也の体内にそのかけらが残っていることもないだろう。
しかし、深々と刻まれたその傷が治ることはなかった。
「太宰君、中也君を面の病院で見せることはできません。ここらに闇医者はいませんし、いったん部屋に戻ってマフィアの医者を呼びましょう」
「いや、マフィアに向かおう。この状況を一刻も早く首領に伝えないといけない。それに…見る限りでは、あのナイフは異能で作られた後に毒か何か塗られていたのだろうね、中也の血はなかなか止まらないし、衰弱も激しい。このままでは死んでしまう」
「わかりました」
もう一台、残っていたタクシーに中也を担ぎこむ。運転手を外に出し、私が乗り込んだ。助手席に安吾が乗り込む。
まだ意識のあった中也が苦しそうに「止めろ、それだけは止めろ。おい、教授眼鏡ぇええ！！！」と叫んでいた。
うん、まだ元気そうだね。
「中也君、あきらめましょう。あ、シートベルトしますので動かないでくださいね」
安吾が後部座席に寝転がっている中也に二席分のシートベルトを着ける。
落ちないようにね。
安吾も自らのシートベルトをしっかりと付ける。
そして窓を開けると、外でおろおろしていたこのタクシーの運転手に
「あとでマフィアに来ていただいていいでしょうか。聞きたいこともありますし、なにしろこのタクシーをお返ししなければいけないので」
と眼鏡を押し上げながら言った。
言い終わると同時位に私は全力でアクセルを踏み込んだ。
「くれぐれも。くれぐれも！！ 安全運転でおねがぁあああああああ」
「うわゎゎゎああああああああ」
うん、さすがに事故だけは控えようかな。
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みぃ(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» ！？ すみません、コメントに気がついて居ませんでした！！ 遅くなって申し訳ございません！ あら、そうなのですね、知りませんでした。書き換えて起きますね！ (2018年4月3日 18時) (
レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - １３話を見て思ったのですが、ユリの花は匂いが強く花が下向きに咲いていて縁起が良くないのでお見舞いには向いていないですよ。 (2017年9月17日 23時) (レス) id: 343bba7f6a (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 由由由さん» おお！ こっちにもコメントくださいありがとうございます！ 頑張りますね！ (2017年8月1日 8時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
由由由 - 面白い！続きが楽しみ！ (2017年7月31日 17時) (レス) id: 1589b544b5 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 藤猫さん» コメントとご指摘ありがとうございます！ 矢張り夜中に更新すると誤字が増えますね…ありがとうございました！！ (2017年3月30日 10時) (レス) id: 7206b13d0b (このIDを非表示/違反報告)
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