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番外編 学園3 ページ30

知らない男の子に引っ張られながらいつの間にか開けた空間まで来てしまった。

手を離されるとすぐに見失ってしまいそうなほど混んでいているため私たちの手_といっても彼が腕を掴んでいる_は繋がれたままである。


「定期」

「はいっ」


一言そう言われたため彼が持っている私のバックの側面にぶら下げられているぬいぐるみ型のパスケースをつかむ。
それからすぐに改札を抜けた。
抜けるとすぐに外になっているようで、手を放してもいいほどに人は霧散するようだ。


「ここに来るのは初めてかい?」

「はい、この前ここに引っ越してきたばっかりで…」

「文スト学園の編入生?」


私は少し驚いたが、ここら辺に高校は少ないのだろう。見かけない制服を着ていたら確かにそう思うかもしれない。


「私は文スト学園の高等部二年の太宰治だ。学園まで一緒に行こうではないか」


そういった彼は優しく笑った。

手の中でつぶれたパンフレットのしわを伸ばす。


「私は元△高校の志賀Aです。二年ですから同い年ですね」

「おお、これは奇遇だ。そういえば今日私のクラスに一人転入生が来る予定なのだけど、君かな」

「そうなんですか?」

「君みたいな美女が一緒のクラスなら私はとてもうれしいのだけど〜 どうだい?このまま学園に言ったらとても早くについてしまう一緒に心 中でも」

「へ? 心中!?」


太宰さんは私の両手を自分の手で包み込み顔をぐっと近づけた。

すると後ろから太宰さんと同じ制服を着た奇妙な髪形の男の子が走ってきた。


「太宰さん! 他校の生徒に絡まないでくださいよ!」

「おや、敦君。おはよう。彼女は転入生らしい。ていうことはいいだろう?」

「あ、おはようございます。って、よくないですぅ!!」


敦君と呼ばれたその子は私から太宰さんをひっぺはがす。


「転入生?」

「はい…そうです」

「ああ、すみません、一緒に行きましょうか!」


困ったような表情のままそういった彼。

いや、私はもとよりそのつもりだったのだが。


そうやって、歩き出した私たち。




 


だがしかし。

太宰さんのクラスに編入してくるのは私ではなく帽子の彼だったり。

病弱な男の子を保健室まで運ぶ羽目にあったり。

妙に厳しく、突っ込み担当の風紀委員やカレー好きの先生がいたり。

そして、先ほどの彼らがちょっとどころではないほどの問題児だということは私はまだ知らないのであった…



 




_完_






 

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(プロフ) - 16ページ 放棄 は誤字ではないでしょうか? (2021年5月26日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
文豪 - だ、太宰さんカッケー! (2019年6月9日 16時) (レス) id: 31faebb885 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 詞音さん» コメントありがとうございます! 途中更新停止とかしてしまってたのでメチャメチャ時間掛かってます(汗 他の作品もほぼ完結してないという事態でして(泣 だいたい、一話書くのに2時間かけてます。あ、アンケートありがとうございます! (2018年4月8日 19時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 私も書いてみようかな…。(・∀・;) (2018年4月8日 17時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - あと!太宰さんとの師弟関係が見てみたいです!新作楽しみにしています! \(´∀`)/二回コメントしてすみません (2018年4月8日 17時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぃ | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2017年5月14日 2時

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