第二十一話 存在 ページ24
太宰さんは大きなため息をはいて吐き捨てるようにこう言った。
「なら、さっさと死ねばいい」
わたしは驚いて顔を上げた。
「何を驚いたような顔をしているんだい？ そうだろう？ “そう”思うなら死んでくれたまえ。 ただ、私は君のような女性と心 中はしたくないがね」
声が出なかった。
心のどこかでやはり私は救いの言葉を待っていたらしい。
しかし、返ってきたのは私のすべてを突き放すような冷たい言葉。
どん底に落とされたような気分だ。
目の前が歪んでいく。
情けない。 泣いているのだ。
自分の言葉を肯定されただけなのに。
私は再び顔を伏せた。
何も見えないし聞こえない。 自分の早くなった鼓動だけが耳の奥で響いている。
しかし、瞳は太宰さんの顔を映し出した。
太宰さんの手によって私の頬は挟まれ、顔を持ち上げられたのである。
彼は顔を近づけてこういった。
「確かに“君のせい”だよ。 けれどね。 今死んだらまさしく君の存在は悪だ。 この世に生まれるべきでなかったことになるだろう」
太宰さんは真剣な顔で私の心に語り掛けつづけた。
「ならば、存在を証明してみろ！ 今まで君が殺してきたぶん生きてみろ！」
私は膝から崩れ落ちた。
が、太宰さんによってその体は支えられる。
「わかったかい？ …今度は…君が、救う側になってみたまえ」
太宰さんは「なかなか楽しいものだよ？」と続けた。
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麗(プロフ) - 16ページ 放棄 は誤字ではないでしょうか？ (2021年5月26日 23時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
文豪 - だ、太宰さんカッケー！ (2019年6月9日 16時) (レス) id: 31faebb885 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 詞音さん» コメントありがとうございます！ 途中更新停止とかしてしまってたのでメチャメチャ時間掛かってます（汗 他の作品もほぼ完結してないという事態でして（泣 だいたい、一話書くのに2時間かけてます。あ、アンケートありがとうございます！ (2018年4月8日 19時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - 私も書いてみようかな…。(・∀・;) (2018年4月8日 17時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
詞音 - あと！太宰さんとの師弟関係が見てみたいです！新作楽しみにしています！ \(´∀`)/二回コメントしてすみません (2018年4月8日 17時) (レス) id: 6b5092fe94 (このIDを非表示/違反報告)
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