片寄くんちの妹はお姫様？

休日 ページ17

今日は久しぶりのオフ。

何処かに出掛けようかな、って考えてたらさ


「涼太、今日お休みなんでしょ？Aのことヨロシクね！」


有無も言わずAを置いて出掛ける両親。

1回預かってから、何故か面倒をみる担当になった。

まあ、Aが可愛いからいいんだけど。


『おにい、よんれっ！』


絵本を持って俺の膝に座るA。

こんな、ゆったりした休日もいいよね。

2人でゆっくり過ごせるし、Aの可愛さも笑顔も独り占めできる。

あー、幸せ。


ピピピッと幸せに水を差すように、電話が鳴る。


「誰、幸せな時に···って、マジ！？」


スマホの画面には白濱亜嵐の名前が。

嫌な予感しかしない。


『おにい、でんわ？おしごと？』


悲しい顔をするAに


「違うよ、お兄ちゃんの仲間からだから大丈夫」


電話の鳴る音を無視して、絵本を読んでやるが


『···でんわ、きになる』


一向に鳴り止まないせいで、Aも絵本に集中出来ない。


「もしもし」


ため息つきながら、電話にでると


「電話に出るの遅い！
Aと一緒でしょ？○○まで来てね」


一方的に用件を言って、電話は切れた。

なんで俺の周りは返事を聞いてくれないのかって、ため息しかでない。


『なぁに？』

「今ね、亜嵐くんからだったの。A連れて○○まで来てって言ってるけど、行く？」

『うんっ！』


とびっきりの笑顔のAに涼太は苦笑い。

○○は某テーマパーク。

行きたいって言っていたけど、簡単に連れて行けるわけじゃないからね。

これが、俺1人だったら···と思いながら準備して家を出る涼太なのでした。

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