5 ページ5
あれから三年。
三途さんと約束した通りに"妹"としての振る舞いを頑張ってきた。けど我慢出来ないことがあって、女物の香水を匂わせ帰ってくること。そのまま抱きつくことが耐えられなかった。
『臭いよ』
何度も何度も、警告した。
けど、付き合いだからと取り合ってはくれない。
だって私は、彼らの"妹"だから。
今日、三途さんとの約束を破ってしまった。
学校帰りスーパーに向かっていると、りんちゃんを見つけた。
女の人の腰に手を回して歩いている姿を目撃したのだ。
初めて見た、男としての兄竜胆。
悲しい悔しいと同時に嫉妬心が溢れ出したのだ。
その気持ちは収まらないまま、兄達が帰ってきて言わないハズだった気持ちをぶつけてしまった。
『····嫌いだよ』
好きになって、ごめんなさい。
◇◇◇
「兄ちゃん、どうする？」
ソファーに座り、部屋に閉じこもった妹Aをどうするか考える二人。
「竜胆、お前、Aの気持ち知ってるか？」
「気持ち？」
え、なんの事と頭を傾げている弟にお前なァと言いながら溜息をつく蘭。
「気づかねェの？」
「だから何がっ！？」
イライラする竜胆に、蘭は事実を伝える。
「Aは、俺らのことを"男"として好きなんだよ」
蘭はずっと気づいていた。妹の気持ちに。
知らない振りをしてきたのは、"妹"としてみようと気持ちに蓋をしていたから。
女として見てしまえば、Aを離せなくなる。
「え、本当に？」
竜胆は鈍いから、Aの気持ちに気づいてなくてもおかしくないが。
「いつから····？」
いつから男としてみていたんだよと竜胆が呟くが、それは蘭でもわからない。
けどここ数ヶ月じゃないことは確かで、なるべく家に居ないよう女と居ることを選んだ俺は最低だろうなと拳を握った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃんころ(プロフ) - ATR214YSさん» 好きと言ってもらえて光栄です！コメントありがとうございました。 (2022年1月11日 5時) (
レス) id: 75e3bccc31 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きなストーリーで終わってしまうのが少し寂しいです泣更新お疲れ様でした！ (2022年1月11日 0時) (レス) @page21 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころ(プロフ) - ゆさん» 中途半端に完結させてしまい申し訳ないです。ハピエン予定でしたが中々最後がまとめられなかったです。コメントありがとうございました。 (2022年1月10日 19時) (レス) id: 75e3bccc31 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます。ハラハラしながら読ませていただいておりましたが、３人が幸せになれてよかったです！とても楽しく読ませていただきました。素敵な作品をありがとうございました。 (2022年1月10日 19時) (レス) @page21 id: 1f3bc36824 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころ(プロフ) - みきさん» 元々ハピエン予定で書いてました。もっと甘デロにする予定が力及ばずです💦コメントありがとうございました。 (2022年1月10日 16時) (レス) id: 75e3bccc31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃんころ | 作成日時：2021年12月26日 13時
