赤と白と黒。 ページ28
────バンッと
何かが爆発したかのような音に、思わず林檎を食べるのを止める。
「……っ、A……?」
息を切らした銀時が、ふらりふらりと歩み寄る。
「銀時?
すごい汗だけど大丈────」
目の前が覆われる。
銀時に包まれていた。
「おまっ……ほんとにッ、
心配した……っ!!」
背中にまわった腕に力が入った。
少し、震えているのもわかる。
「また、いなくなっちゃうんじゃないかって……。
また、苦しい想いさせちまったって……!!」
「ぎん、と、き……。」
銀時の頬に手を添え、目線を合わせる。
.
「……泣かないで。
ごめんね、心配かけて。」
「……っ、泣いてねーよっ。」
慌てて涙が拭われる。
それでも目は真っ赤だ。
「……ありがとね、待っててくれて。」
「……お前の為なら、100年でも1000年でも待ってらァ。
だから、必ず帰って来い。」
コツンと合わさった額から再び熱が伝わってくる。
少し赤らんだ目。
長い睫毛。
「────帰るよ、何があっても。
茨の道でも火の道でも。必ず。
だから、待っててね。」
再び、温もりに包まれる。
大きくて、小さな背中に私も腕を回す。
護り護られ、帰り待つ。
少し人とは違っても、これが私達。
絶対的な法則だ。
覆ることはない、絶対な。
.
.
.
「オメーラガキの前で不純な行為すんじゃねーヨ。」
しゃくしゃくと林檎の香りがする。
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MiUmIu(プロフ) - vict tm 0206さん» コメントありがとうございます!今、低更新ですが……なんとか進めていきたいと思っていますのでよろしくお願いします!! (2017年4月22日 23時) (レス) id: 042c49640d (このIDを非表示/違反報告)
vict tm 0206(プロフ) - 続きが楽しみです! (2017年4月22日 14時) (レス) id: 260e4dcf34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MiUmIu | 作成日時:2017年4月12日 23時