黒髪ロング、ストレート ページ5
＊
「…こういう優しさだけの男
簡単に落とせるからって見たらジャニーズだった」
「…」
「だから興味があって声かけてみただけ」
「…嘘やろ」
「…何が？」
「ほんまは何か聞いてほしいこととか
あるんやないの？赤の他人、第三者に」
「…そんなこと一言も言ってない」
「…そう？なら僕帰るな？仕事朝早いし」
「…あっ……」
「どしたん？」
「…気にならないの？この家」
「お金持ちやなぁくらい」
「…マルヤマって何歳なの？」
「僕誕生日来たら33やで」
「…結構おじさんなんだね」
「結構なおじさんの殆どには
ちゃんと敬語使わなあかんよ？」
「私勉強はできるんだよ」
「あ、そうなんや、じゃあ作戦か」
「そ」
制服のままソファーに座ってたAは足を組み替えた
黒髪ロング、ストレート
小さな顔に薄い唇
ぱっちりした目、そのすぐ下のほくろ
「…あたしのこと、どう思う？」
「妹と同い年くらいやなぁって」
「…他」
「化粧してないんや〜って」
「…ねぇ」
「ん？」
「そういうこと聞いてるんじゃないの」
ソファから降りて来たAは
僕の首に手を回してきた
「…あたしのこと好きか聞いてるの」
吐息交じりに僕の耳元でそうつぶやく
色気を感じないわけではないけど
作戦とは裏腹に化粧していない肌のきれいさが
あまりにも幼すぎた
「…かわええと思うよ」
そう答えると彼女は嬉しそうに
僕の頭を抱いた
僕はゆっくりその手をのけた
「…そういうのは二十歳超えてからにし？
あぶないおっちゃんやったらほんまに危ないで？」
彼女を見ると不機嫌そうな顔をした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みくや
| 作成日時：2016年6月11日 5時
