私の一番キライでスキな生き物7【銀魂】

鬼が三十一匹 ページ31

話を聞き近藤は目を見開く


｢死ぬぞ

そんな真似をすればみんな…
トシ達もお前の仲間達も無駄死にすることになる

俺なんぞのためにそれでも………｣


｢誰も死にはせんさ

何故なら俺は知っている
今迄攘夷志士(オレたち)を散々苦しめてきた真選組の手強さを

何故なら知っているはずだ近藤
今までお前達の手をさんざん妬かせてきた攘夷志士のしぶとさを

俺達(・・)は知っているはずだ
真選組と攘夷志士 俺たちが手を結べば国であろうと何であろうと恐るるに足らん事を

近藤…俺達は立場は違えど国のために戦わんとする思いは同じのはずだ｣


｢やれやれ｣


突然二人以外の声が聞こえ二人は声の主の方へ目を向ける



｢?｣


｢前に同じことを言っている奴がいたよ
桂お前にな

まったく世の中どうなってんだ

天下の将軍と天下の攘夷志士(あくとう)が同じたわ言並べるなんてよう

一体どっちがイカれてんだか｣


｢とっつぁん…｣


｢………そのイカれた将軍(おとこ)と約束した｣


【｢…桂よ
次会う時はどちらかが首になっていようが…｣


｢ああ解っている
残った方が新しき世を創る
異存はない｣】


｢ケッどっちもイカれてんじゃねェか

桂

俺にもその丸薬をさっさとよこしな｣


｢とっとっつぁん!!｣



「イカれた主君に仕えたが運の尽きだ

イカれた将軍の仇は
イカれなきゃ取れねェよ

それに国が敵に回っちまった今
細けェ所で敵だの味方だの吠えてても仕方ねェ

もう1本タバコを吸わせてくれんなら
閻魔だろうが釈迦だろうが俺の味方だ｣


｢!!｣


｢フン
あの主君にして
この家臣にありか

あい解った
ならば共に行こう

あの将軍(おとこ)の
かつての敵と
かつての家臣で

あの将軍(おとこ)が夢見た場所へ｣


桂は丸薬を投げようと振りかぶった


｢この国の夜明けへ!!｣


すると投げられた丸薬は檻にあたり跳ね返る


そして桂の口の中に…


ズシャァァァァと桂は倒れる


｢か〜〜つらァァァ〜〜〜?!｣


｢何やってんだコイツぅぅぅ!!!
勝手に人のこと助けに来て勝手に一人で仮死状態になっちまったけどォ?!｣


｢オイどうすんだ!!
こっちはまだ脱獄の手はず何も聞いてねェぞ
さっさと起こせ!!｣


｢起こすって仮死状態のやつどうやったら起こせんだ!!｣


｢起きろズラァァァ!!
オイアレ仮死っていうか本当に死んでね?!

何かダイイングメッセージ的なもの書き残してんぞ!!」

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