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鬼が十六匹 ページ16

手下を撤退させると朧は辺りに誰かいないことを確認して近くの茂みに入っていった



「虚様」



朧がそう呼びかけると虚は一人木によりかかって朧とは反対の方向に目を向けていた



「お一人ですか」



「えぇ」



「追いましょうか?」



「いや、近いうち嫌でも会うことになるでしょうから
その時また逃がしてあげられるかは分かりませんがね

全く、逃げれば逃げるほど追い詰められるのになぜ逃げられると思うのか……
まあそういう所も愛らしいですが」



「……」



特になんの発言もしない朧を見てうっすらと笑みを浮かべる虚



「早く戻りましょう
天が騒いでおります」



「全くまた元気な老いぼれ(天導衆)どもの相手ですか」



「これからの計画には必要なもの(・・)でございます」



「分かっています
早く済ませてしまいましょう」



その言いAの逃げた道とは反対側に歩き出す虚



【「あなたが他の星に行って暮らしてくれれば考えてもいいけど」



「君とバカンスですか
無しではありませんがそれには障害が多すぎる」



「障害?」



Aがそう聞き返すと虚はAに寄せていた顔を離して上を指さした



「天があまりにもうるさくてね」



「……入らなければよかったのよ
そんな組織」



「それは奈落のことでしょうか?それとも天導衆?
奈落のことに関しては君にも多少非があると思いますがね」



「……」



引け目があるのか、反論することが出来ずに黙り込むAを見てふふっと笑う虚



その瞬間虚がガッと何かを掴む



クナイ、それもAの投げた



掴んだ手からは血が痛々しく流れている



「全く
少し機嫌を損ねたくらいで殺そうとしないでください
どうせ無駄なんですから
本当に可愛いですね」



「本当に脳内お花畑なのね!」



怒ったようにそういうAをニコニコと見つめる虚



「それにこれは無駄じゃない」



ん?と思い虚が目を開けると目の前にはスプレー缶



Aはクナイを投げた手でハンカチを持っていて目を覆っている



スプレー缶にかかれた文字は催涙スプレー



「(おっと、これは予想外……!)」



そう思った瞬間にはスプレーがかけられ一瞬虚の力が弱くなる



その一瞬を着いて体をひねり虚から離れるとAはタタタッと走っていってしまった】



「催涙スプレーってあんな感じなんですね」



思わず呟いた虚の言葉に怪訝そうにする朧



「全くお転婆な嫁を持つと苦労しますね」

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ヘアリー(プロフ) - サーモン13さん» わぁ!!ありがとうございます!今日かなり訂正したところがあって気に入っていただけるか分かりませんがまた少しずつ見ていただけると嬉しいです!更新なるべく頑張ります!! (9月17日 20時) (レス) id: 8269c85238 (このIDを非表示/違反報告)
サーモン13 - 作品を何回も見返す程大好きです!更新頑張ってください応援しています!!! (9月17日 15時) (レス) id: 2b34b441a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:へアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2020年4月25日 19時

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