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「そうなんでしょうか…
そもそもここに来るまで住んでいるところに名前があることすら意識してなかったので…」
「どんな環境で育ってんだいアンタ…」
そう話しているとシャンクスが思い出したように口を開く
「あぁそういえば前故郷について話してくれた時に忍とか言ってたなA
どこかで聞いたことのある言葉だと思ってたが…
そうだ、ワノ国だ」
「この辺には忍居ないんですか？」
「ワノ国から出てきた人間とかじゃなければ滅多に居ないな」
ベックマンはそういうと水をゴクッと一気に飲む
その言葉を聞きAは窓の外を見つめる
「どうしたんだい？」
「ここの人達は…
忍が居ないからこんなに楽しそうなんでしょうか」
「え？」
予想していなかったAの言葉に三人は驚いたように声を漏らす
続きの言葉を待つようにAを見る三人
「私の故郷では毎日人が死んでました
一族同士の戦いで子供も大人も
美味しい物食べたり可愛い服着たりゆっくり話したり…
こんな幸せ想像することも出来なかったです」
そういいながらAは窓越しに行き交う人々を見る
旅人や家族、恋人
皆楽しそうに笑いながら歩いている
「幸せな場所ですねここは」
シャンクスとベックは窓の外を見つめるAをじっと見る
そんな中レティシアはふっと頬を緩めてAと同じように外を見る
｢くふふ、まあ、確かにそうだね｣
Aがそういうレティシアの方を見ると
レティシアもAに向き合う
｢でもね覚えておきな
この世界に完全な平和なんてないんだよ｣
その言葉に驚いたように息を飲むA
｢今もどこかで誰かが争いに巻き込まれて死んでるんだ
忍とか関係なく、それが自然の摂理なんだよ｣
ポンっとレティシアはAの頭を撫でる
｢だからこそ私達は今こうやって幸せに生きられることを感謝しなくちゃいけない
今をめいっぱい楽しまなくちゃいけないんだ｣
ニッと笑うレティシアを見てAは驚いたように目を丸くする
しかしすぐに頬を緩めて嬉しそうに笑った
｢はい｣
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作者名：ヘアリー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年10月9日 9時
