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「(にしても何でこんなに持ってんのか…)」
そう見てるとAは楽しそうに笑う
「お腹空いてるの？何か食べる？」
「(別にいらねぇよい
………でも答えないのも何故か罪悪感が…)」
マルコの返事を今か今かと待っているAを見て少し呆れるマルコ
渋々食べ物の山に目を移すとマルコはパイナップルを突く
「ふふふ、後でお店に行って皮剥いてもらったらあげるね」
「(お店？
あぁこれは店の買い出しかよい)」
そう勝手に納得するマルコ
「ほら、こっちおいで」
「………？！」
しばらく言われた言葉を理解できずに固まるマルコ
しかしすぐに理解したマルコが驚いたように声にならない声を上げる
「(いや流石にそれはまずいだろうよい
いくら鳥の姿とはいえ…)」
そうたじろいでいるとAは少し悲しそうに頬を掻いて笑う
「野鳥だから流石に警戒してこないかな？」
「(なん…そん…そんな反応されたら…
断れないだろうよい…)」
おずおずとAの膝に座りながらそう考えるマルコ
「ふふふ、すごいなぁこの辺の鳥さん
みんなこんな感じなのかな？」
「(んなわけあるかい)」
心の中でそんなツッコミをしつつ
女子に抱きつかれるというイレギュラーな状況から目を背けるマルコ
Aは楽しそうにマルコに顔を埋めると口を開く
「はぁ久しぶりに抱きついて少し力が抜けたかも」
その言葉に不思議そうに首を傾げるマルコ
「この世界は私の知ってる世界じゃないの」
思ってもいなかったその言葉に目を見開くマルコ
「世界は一緒でもこんなに違いがあるんだね
レティさんもみんなみんな良い人だけど…
やっぱり寂しい
お兄ちゃん、お兄ちゃん、早く帰りたい」
ぎゅっと抱きしめる腕に力を込めるA
「海なんて近くにないのに流されてこんなところに来るはずない
そもそも、お兄ちゃん達が私を一人で外に出すわけないのに
あり得ないことが多すぎて頭が痛いよ
シャンクスさん達にも酷くあたっちゃうし…
でもやっぱり海賊って怖い」
Aの言葉にピクッと反応するマルコ
「(海賊が怖い？)」
どこかちくっとする気持ちを抑え今にも消え入りそうなAのことばに耳を傾けるマルコ
「誰かが海賊に関わるなって言ってる
誰なの
知らない人なのに、知ってる
どうなってるの
ここは、私の知ってる世界じゃない
帰りたい」
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作者名：ヘアリー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年10月9日 9時
