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鬼が七匹 ページ7

近藤と土方は無言であるく



ザッと砂を踏みしめて止まる



ザザ…という波の音が響く


「松苑」



そこにはキセルを吸いながら立つAがいた



「そんなもん吸ってたのか」



近藤がそう口を開く



「ええ
友達にとめられていたんですが
もう、止めてくれる人もいないので」



「その友達って、誰だ」



Aはそれに答えずに目を逸らし、海の方を見る



「なんで、わざわざ1人になった」



「あなた達にとって話さないと、ダメなことなんでしょう」



そういい煙を吐く



「いんや、そんな大層なもんじゃねェさ
ほんとに俺らはただ謝りたくて」



近藤がそこまで言うと遮るようにAが口を開く



「それは本心ですか?」



その言葉に2人は眉を顰める



その言葉の意味を探すように無言が続く



「あぁ」



先に口を開いたのは近藤だった



その様子を見てAがふっと笑う



「覚えてますか

ここで、あなた達が私を拾ってくれたんです
行く宛もなかった私に…

近藤さん、土方さん
謝らないでください

あなた達には感謝しかないんです

もう一度あの子(銀時)達に会わせてくれた

短い間でしたが皆さんがどんな人かは分かっているつもりです

すごく賑やかで元気で乱暴なところもあるけれど
仁義をしっかり持っていて江戸の自慢の警察です」



「松苑…」



「だから、そんな皆さんに…
お願いしたいんです」



空気が揺らぐ



風が強い



隠れていた太陽が雲から顔を出す



「銀時達のこと」



「…どういうことだ」



土方が言葉を絞り出す



「きっと、私は、…」



すっと目線を下げる



「近藤さん、土方さん
あの子達のために、江戸のために、動いてくださいね」



「もし私があなたたちの敵に回ったら」



そういうと二人が目を見開く



水平線の向こうへカラスが数羽、飛んでいく



「殺してください」



「…松苑、お前ェは…
敵か、味方か」



「トシ!
俺たちは松苑に謝りに…」



「俺らは真選組だ
江戸のために働かなきゃならねェ」



土方はまっすぐAを見ている



「敵だ…



といったら、殺してくれますか」



2人の表情が変わる



「私は皆さんが大好きです
沖田さんも、土方さんも、近藤さんも、新八くんも、神楽ちゃんも、銀時も……

本当に大好きで、大切なんです」



「でもそれ以上に大事な人がいるんです」



自分の手を見つめる



「戦いたくないんです
あなた達の敵となる人と」

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ヘアリー(プロフ) - 七重さん» 飽きないように頑張って更新するので待っててくださいね (2020年4月4日 7時) (レス) id: ded4548bf6 (このIDを非表示/違反報告)
ヘアリー(プロフ) - 七重さん» いえいえそんな!私もかなりドジなんです。一緒ですね笑 (2020年4月4日 7時) (レス) id: ded4548bf6 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - ヘアリーさん» ごめんなさい!私がちゃんと見て無くて・・・私って昔からドジなんですよ。ははははは^^ (2020年4月3日 21時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
ヘアリー(プロフ) - 4と5も作ってますよ、ただ私飽き性なので日々更新できるように溜めてるんです笑 (2020年4月1日 18時) (レス) id: ded4548bf6 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - 続編、おめでとうございます。ところで4と5はどうしたのですか? (2020年4月1日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/  
作成日時:2020年3月17日 23時

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