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「わぁこの写真……懐かしいなぁ」



春のことを全部忘れたくて、思い出の品を整理している時、一枚の写真が出てきた。

ダブルピースをする私の両隣に立つ、顔に土をつけた春とマイキー君。これを撮ったのは、私の18の誕生日の時だ。


______


「春め絶対忘れてる」



春から何の誘いもなく迎えた誕生日。
ここでサプライズを期待するのはお門違い。

あの頭のおかしい春のことだ。彼にそんな粋な計らいはできない。
純粋に忘れているのだ。

私は春に何度もメッセージや電話を送った。しかしなんの反応もない。

怒りに任せて関東卍會のアジトに向かう途中、バブに乗ったマイキー君と偶然会った。



「マイキー君! 春と一緒じゃないんですか?」

「あいつとは今日は会ってねぇよ?」

「じゃあ一体どこに……」



考え込む私にマイキー君は言う。



「あいつになんか用事?」

「今日私の誕生日なんです」

「乗れ」



それを聞いた途端、マイキー君は親指でバブの後ろを指す。



「えっ、でもマイキー君にも用事あるんじゃ……」

「お前を誕生日に悲しませるとか俺ならできねぇよ」



マイキー君はそう言って手を差し出す。それを掴むと、バイクの後ろに乗るのを助けてくれた。



「落とされないように掴まってろ」

「はい!」



初めてバイクに乗った私は怖くて、マイキー君の背中にこれでもかというほどしがみついた。



「そこまで強く掴まなくても落ちねぇよ」

「怖いんです!!」



マイキー君は髪の毛をなびかせながら、楽しそうに笑った。
しばらく探すと、公園のブランコに座る春を見つけた。

こんな大事な日に何をボケっとしているんだと、怒りで肩を揺らしながら公園に入る。



「何してるのかなぁ、春くん」

「A!? あれ、俺まだ呼んで……」

「え、まだって?」

「……って、ボスも!? なんで一緒にいるんすか」

「こいつがお前のこと探してた」



春はひとつため息を吐くと、ブランコからぴょんっと飛び降りた。そして私の方へ向かってくる。



「誕生日おめでとう、A」

「覚えてたの!?」

「は、おま、当たり前だろ!!」



春は決まり悪そうに首の後ろに手を置いた。



「今から呼ぼうと思ってた。ごめん」



謝る春に、「覚えてたならいい」と笑う。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 三途春千夜 , 佐野万次郎   
作品ジャンル:アニメ
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りゆ - 最高… (2022年2月7日 14時) (レス) @page32 id: 84a89ccece (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 華さん» たくさんコメントくれてありがとうございます!!支えられていました…😌頑張ります! (2022年1月30日 11時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - チョコプリンさん» チョコプリンさんありがとうございます😭これからも頑張ります!! (2022年1月30日 11時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
- 祝!完結!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月30日 9時) (レス) @page32 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 完結おめでとうございます☺️私は最終話の幸せそうな2人を見れて笑顔になりました🥰🥰🥰これからも応援させていただきます📣 (2022年1月30日 8時) (レス) @page32 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みくる | 作成日時:2021年12月8日 20時

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