別れたくないよ【三途春千夜】

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マイキー君と付き合い始めて2ヶ月。
春のこともほとんどけじめをつけられてきた。

今はマイキー君が好きだ。



「おせーよ」

「ごめんね、イヤリングつけるのに時間かかっちゃった」

「ピアス開ければ？」

「怖くて……」



今日はマイキー君とバーに行く。3人で行ったところとは違う場所だけど、なんだか複雑な気持ちになってしまう。

一緒に行くのは3人じゃないし、春でもない。



「そうだ、はいこれ」



バーへの道中、マイキー君は私にネックレスを渡した。
それは、三日月の形をしたシルバーのネックレスだった。



「うわ〜、きれい！ ありがとう！」



マイキー君と付き合ってから寂しくなってしまった首元に、ハートではなく三日月が輝いた。



「やっぱ似合うな」

「私のために選んでくれてありがとう」



ニコッと笑うと、マイキー君は私の肩を抱いた。



「好きだよ」

「ありがとう」



しばらく2人で歩いていると、ピンクゴールドの髪の毛が数十メートル先に見えた。

それは、泣きたくなるほどに見慣れた顔だった。

思わず立ち止まる。

向こうも気づいているようで、持っていた煙草を取り落とし、立ち尽くしている。


マイキー君はそんな私をよそにその人物のところまで歩く。



「仕事終わったのか、三途」

「首領……」



大丈夫大丈夫。私の好きな人はマイキー君。今なら春と普通に話せるはず。

私は自分に言い聞かせ、2人の元へ歩いた。



「A……」

「久しぶり」

「幸せそうで……良かった」

「三途さんも、好きな人と上手くいってますか」



私の他人行儀な態度に、春は泣きそうな顔をした。

その顔を見たら、途端に胸が締め付けられた。

自分から捨てておいて、何よその顔。


＿＿＿＿ずるい。

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