第二十二話 ページ22
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「もしかして、……」
プランフィットも何かを察したか、動揺している様子だった。
続けざまに、クアルスは水晶を取り出した。
そして、「ああ……」と力なくつぶやいた。
「どうしたんだ」
プランフィットは呟いたクアルスに気が付いて声をかけた。
「……シトス、です」
プラフェータに言われて議事堂を出ると、今まで感じたことのない空気に包まれた。
憎悪にも似た、暗い感情、炎の焼けるような臭い。
バッ、と気配のする方向を見上げた。
議事堂の屋根に、悪魔が足を組んで座っていた。
「誰だ、てめぇ」
「俺はエクエス、地獄の王に並ぶ堕天使だ」
確かに、彼からは強い魔力と、得体の知れない何か強いものを感じる。
ウーファスの仲間だろうか。
「何しに来た? ここは神聖な場所だぞ……待て、見張りは?」
「確かに、ここは神聖な場所だな。気持ち悪い感覚になるよ、……ああ、見張りか。見張りは知らないね。何故なら門を通ってないからさ」
「は? な、瞬間移動でもしたつもりか?」
「そうだが? 俺は貴様よりはるかに強い。分かるだろう?」
「くっ……クソ!」
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作者名:赤間 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月18日 17時