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第十四話 ページ14







 コンシオホロギア城の一室、絢爛豪華な装飾に包まれた部屋で、シャンデリアが辺りを照らしている中、僕はバルコニーの柵に座っていた。


 「王様、僕のこと見てくれてたね」

 ――違うわ、あなたのことなんて見えていないの。あの堕天使のことしか見えてなかったわ。

 「あの堕天使? うーん、そうなのかなあ。僕のこと見てくれてたと思うんだけどな」

 ――自惚れていないでユダ。あなたは、あの人のお役に立ちたいんでしょう?

 「うん。そうだよ、そうだけど。でも……ねえ、メア。きみは、きみはどうするの?」

 ――私はね、ユダ。あなたと同じなの。どこまでもいっしょ、ずっといっしょ。だからね、ユダの好きなようにすればいいわ。大丈夫、私がいるから。

 「きみがそう言うなら、分かったよ。メア、どこまでも、どこま」

 「騒々しいな、ユダ」


 振り返ると、そこには愛する地獄の王、レークレイがいた。僕は柵から降りて、歩み寄るレークレイの前に跪いた。


 「貴様のその癖は治せないものか?」

 「こ、これは、メアは、僕の妹で」

 「そういうことを聞いているんじゃない。どうにかしろと言っているんだ」

 「申し訳ありません……」

 「全く、真面な部下はいないものか」


 ちらっ、とレークレイの方を見ると、はぁ、とため息をついていた。


 「ユダ。貴様は魔法の使い方はなっていないが、魔力だけは強大だ。いつか使えるかもしれない、と思っているから傍に置いてやっているのだぞ。場を弁えろ、精神病患者(クランティカ)


 クランティカ。そう言われた瞬間、耳を疑った。

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作者名:赤間 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年5月18日 17時

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