第四話 ページ4
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「はぁ……」
二度目の深いため息を吐き、椅子に座り込んだ。
ああ、これからどうするべきだろうか。
今日はまだ土曜、明日は会議がある。
明日の会議でこれを話題に持って行くしかなさそうだ。
そこで主力メンバーに力を分けてもらおう。
椅子の背凭れに体重をのせると、椅子はぎい、と音が鳴った。
頭の後ろで手を組み、考える。
私は天使長として、仕事を全う出来ているだろうか。
プラエダントをはじめ、他の天使にもしっかり……。
「……私がしっかりしなければな」
よし、と立ち上がり、気合を入れて頬を叩く。
正装に着替え、剣を腰に差し、マントを翻すと書斎を出て行った。
*
同日、地上。
——西欧某所に、一人の男が現れた。
黒衣に身を纏い、黒い布で素顔を隠している。
聖域と呼ばれる神殿跡地に、男は座り込み、両手を組んで祈りを捧げていた。
「おお、神よ。我らをお救いください」
ざあざあと雨が降り注ぐ中、神に祈りを捧げ続けている。
「おお、神よ」
「喧しい人間だ」
男の背後から、また一人の男が姿を現した。
黒いローブを纏い、顔を隠さず、祈りを捧げる男の前に立った。
「なっ!あ、あなたは……」
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作者名:赤間 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月18日 17時