あなたに恋してもいいですか (ページ8)

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お手紙 kwkm ページ8

私は今日引越しをする。大学に合格して春から1人暮らしをはじめるためだ。楽しみだけどちょっと不安な気持ちを抱えつつ幼馴染の拓郎のことを思い浮かべていた。拓郎にとって私はただの幼馴染なんだろうけど、私はずっと前から拓郎に恋心を持っていた。想いを伝えようとしたこともあったけど、この関係が崩れて話せなくなるぐらいなら…って思って自分の気持ちを隠し続けて来た。きっとこの先もずっと…

引越し業者さんのトラックが来て荷物が運ばれて行った。私もそろそろ出発しようと、お父さんとお母さんに挨拶をして家を出た。

駅について電車を待っていると拓郎が息を切らせて来てくれた。正直来てくれると思ってなかったからすごい嬉しかった。
拓「間に合ってよかった。りん、また帰ってきたらいろいら話そうな。」
りん「もちろん！お見送りありがとうね。あ、電車来た…じゃあ、そろそろ行くね。またね。」
拓「あ、ちょっと待って。これ…」
そう言って渡されたのは小さな封筒…
りん「え、嬉しい。ありがとう。拓郎がくれるって意外…今読んでいい？」
拓「だーめ。恥ずかしいから。電車の中で読んで。」
りん「もう、わかったよ。じゃあほんとにそろそろ行くね。ばいばい」
扉が閉まって電車が走り出しても拓郎はずっと手を振っていてくれた。拓郎が見えなくなったところで空いている席に座ってさっき渡された封筒を開けた。

かくとだにえやはいぶきのさしも草
さしも知らじな燃ゆる思いを

私は顔が熱くなるのを感じながら次の駅で降りると急いで拓郎に電話をかけたのだった。

よくわかる解説ー！

⭐和歌の意味⭐
こんなにもあなたを思っていますが、それを言うことなど出来ません。伊吹山のもぐさのように燃えている私の心なんて、あなたは知らないでしょうね。