遺伝子格差世界【d!】

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貴方side



「えー、、皆さん入学おめでとうございます。この学校では_______。」


校長先生の長い話を聞き流しながら校長の寂しい頭に反射する太陽の光を見つめる。
周りを見れば色々な子が居て、ほとんどが変容している。
私とは違って。


私、柘榴Aは、第二遺伝子喪失症と言う病気、、と言うより特性の16歳だ。
16歳の誕生日の日、わくわくしながら第二潜性遺伝子を見つけるために血液検査をしに病院に行ったその日、現実を突き付けられた。
私には、変容が訪れないらしい。
周りの子に牙が映えてたり、鱗があったり、中には羽がある。
そんな個性爆発している場所で唯一、何もない普通の人間なのだ。


校長のくっそ長い話が終われば、生徒会長の話が始まる。
それがもう長いのなんの。
さっきっから立たされてるこっちの身にもなってくれよ。
そう思っていると、


「なぁなぁ！聞いとる？」ｺｿｺｿ


『、、なんすか？』ｺｿｺｿ


隣から肘で脇腹をつつかれ、そう言われる。
目線を横にスライドさせて、そう言う。
横に居る子は、配られたクラス名簿に乗っていた名前と、名札で理解する。
黄瀬笑太と言う、男の子の様だ。
容姿から見て、小さくしているが黒い羽、ちょこんと生えてる黒い角、そして尖ってる八重歯。


悪魔の遺伝子持ちなのだろう。


「俺なシャオロン言うんや！ヨロシクな！」ｺｿｺｿ


『う、、うん？ヨロシク？』ｺｿｺｿ


先生にバレ無いよう隠しながら差し出された手。
なんだ。開始早々バカにされるのかと身構えて居たがそうではなかった様だ。
差し出された手を繋ぎ、握手をする。
入学早々、お友達が出来たよ。母さん。


続く

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