1食目。 ページ2
やってしまった、とセレナは内心ため息をはいた。
今日はセレナの仕えるこの家、コンチータ家の娘であるバニカの誕生パーティーなのだ。
コンチータ家の当主、ムズーリ=コンチータは美食家で有名である。
そしてその家の使用人たちも舌が肥えていた。
理由は簡単。「おこぼれ」をもらえるからである。
それには、セレナも例外ではなかった。
そして今日は誕生パーティー。
たくさんの料理が用意される。
「おこぼれ」の料理も増える。
しかし…セレナはここ数日、腹痛に悩まされていた。
数日前、エヴィリオス全土から様々な種のキノコを輸入してきた。
毒味ということで使用人たちに少し食べさせたのだが、運悪く彼女が食べたキノコが毒キノコだったのである。
「毒キノコ」とは言っても、体が痺れるとか痙攣するとかそういったものではなく、数日間腹痛に襲われるだけ。
この家の主治医に診察を受けたところ、「念のためあまり何も口にしない方がいい」ということであった。
ああ…とセレナは嘆いた。
しかし、腹痛であったことを逆に幸運だったと喜ぶのはもう少し先の話。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いんく | 作成日時:2016年8月1日 22時