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角灯(ランタン) ページ43

創志郎さんの言うことをまとめるとこんな感じ
契約は一対一で一生に一度だけ。
解除はできない
基本的に代償はない
鬼と契約した人間は『鬼人(きじん)』と呼ばれる
普通の闇鬼は脆過ぎて契約に耐えられないはず


それを伝えられた冬馬くんはその場に崩れ落ちた。

闇鬼は私を放して冬馬くんに駆け寄る
闇鬼の灰色に濁った目がギラギラとこちらを見ていた


「何故貴様は人間と契約できた?」
その眼をあっさりと躱して創志郎さんは闇鬼に聞いた



「…さあな。」
闇鬼はなんでもないように答えた
冬馬くんは今にも泣き出しそう。まだ10歳かそこらの男の子だよ…


長い爪を闇鬼の首に付き立てて創志郎さんはもう一度聞いた


「何故だ?」


「シキ…!」
契約してる二人の顔が歪む。


「ちょ、ちょっと創志郎さ…」

「ほんとにわからないんだ」
冬馬くんは私を遮るように小さく呟く


「ほう?こいつが闇鬼で、契約方法まで知っているのにか?」
こらこら子供相手に煽らないそこ!


「僕はただ強くなりたかっただけなんだ!シキを巻き込むつもりじゃ…」
冬馬くんは必死だ
ほんとにこの鬼の事を想ってるのが分かった


「冬馬、もういい。この家はアテにならない。それが分かっただけ十分だ。」


創志郎さんからカチンと音がした。
シキさんもなかなか煽りストだよなぁ…


「どの口が言う。貴様らなぞそこらで野垂れ死ぬが良い」
出ていこうとする二人に私は声をかけた

「出ていくなら本、戻してからにしてください」
バラバラに散らかった本を指差せば、二人は渋々戻ってきた

私も手伝う。
「お姉さん、ごめんなさい。僕…」
「平気だよ。それより二人はどこか寝泊まりできる場所あるの?」

二人は力なく首を振った

「ねえ創志郎さん…!」
創志郎さんを振り向く
「却下だ」
はやっ!!!
「まだ何も言ってないじゃないですか!」


「どうせ、『この二人を泊めてあげてー』とでも言うのだろ。」

「ぐっ…図星」
本はまだまだある


創志郎さんの後ろで
「若、ここで恩を売っておいて損はないかと」
と紕閠さんが言うのを聞き逃さなかった



「ふむ…貴様らは何ができる?」

冬馬くんを雑用として使う気ー?


「…その執事の手伝いくらいなら」
冬馬くんは立ち上がって答えた。

シキさんの灰色の眼が鈍く光り、それと連動するように冬馬くんの丸い眼も同じ色に輝く


なに…なんだこれ…


床に落ちた本が重力に逆らって宙に浮いた



「面白い。」
創志郎さんは珍しく笑った

子供→←怪我



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設定タグ:執事 , オリジナル   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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saya(プロフ) - 味噌汁さん» 確かに、ビックリしましたけど、最後の賢正のセリフはかっこよかったです。。。(TωT)/~~~ 私も久しぶりにこんなにドラマにハマったので待ち遠しいです♪ (2016年11月1日 23時) (レス) id: 95169321dd (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁(プロフ) - sayaさん» そうですね〜二人の演技にみごとに騙されてしまいました…。日曜日が待ち遠しいです (2016年11月1日 22時) (レス) id: 2bbd48963b (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - 味噌汁さん» ですよね!敬語じゃない賢正も良かったです♪眼鏡を取るところとか、スイッチみたいで、これから後々過去が明かされていくみたいなんで気になりますね〜 (2016年11月1日 21時) (レス) id: 95169321dd (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁(プロフ) - sayaさん» 分かります〜!普段の一人称が「俺」って所にギャップというか、男っぽさを感じて好きです!!ありがとうございます〜! (2016年11月1日 17時) (レス) id: 2bbd48963b (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - 味噌汁さん» ディーンさんのアクションとか、私服とかも良かったですよね! もちろん、1番は執事賢正の姿ですけど♪ 楽しみにしてますね(TωT)/~~~ (2016年11月1日 16時) (レス) id: 95169321dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:味噌汁 | 作成日時:2016年10月30日 2時

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