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伝える勇気 ページ22

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『何か見てたの?』


「うん、空。星を見てた。」





東京の空にも星は見える。

わずかな数だけど、確かに見える。





『出会った頃のこと思い出しちゃった。』


「俺も。こうやって二人並んで星空を見たね。」


『ちゃんと覚えてる?(笑)』


「もちろん。Aが俺に本をプレゼントしてくれた
あの夜。絶対に忘れないよ. . . 俺」


『うん. . . 私も. . . 』


「. . . 前はさ」





裕太くんがタバコの火を消してこっちを見る。





「自分の部屋に宮田以外の他人を入れるとか. . .
絶対に嫌だったのに」


『うん』


「今は目が覚めてAがいるって思った瞬間、
すっげーテンション上がる。」


『うん//』


「こういう感じなんだよね。
大好きな子と付き合えるって。」


『裕太くん. . . っ』


「なんかもう. . . たまんないね。」


『私もっ. . . 』





泣きたくなるくらい裕太くんが好きだって思った。

抱きしめられた腕の中で、強くそう思った。





「. . . ねぇA」


『なぁに?』


「. . . ん。やっぱいいや」





裕太くんが言いかけた言葉は一体なんだったのかな?

いつか聞けるといいな…。

私はそう心に願いながら…

この満ち足りた場所で、心底満たされながら…

そっと目を閉じた…。


怖いくらいに、満たされながら…。









ねぇAちゃん



いつだって不器用で素直になれなかった。

君にはなおさら…。

俺の想いを、心を素直に話せたら…

俺たちの今は違ったのかな。


でも、だからこそ

今の俺と、君がいる。


あの頃より大人になった、君と俺が。









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もこ(プロフ) - こんばんは (2019年5月14日 22時) (レス) id: 69388d6fef (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんばんは (2019年5月14日 22時) (レス) id: 69388d6fef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまみく | 作成日時:2019年5月14日 19時

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