涙の夜 ページ31
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君が泣いてると知ると今すぐそばに行きたくなる
『どうして. . . 』
「. . . . . . . . . 」
『どうして泣くの. . . ?』
「泣いてないよ」
『でもこれから泣くでしょ?』
「. . . ごめん。見ないで。」
『. . . っ』
私は勢いよく立ち上がると裕太くんを抱き締めた。
「. . . . . . Aちゃん?」
『悲しい時は人の体温に触れるといいって』
玉森裕太が私の腕の中にいる
ずっとずっと憧れて
この人から目を離すことができなかった
あの玉森裕太を私は今抱き締めてるなんて…
「. . . ありがとう。Aちゃん(笑)」
私の腕の中でクスッと笑う裕太くん
裕太くんが誰にも見せなかった
弱い自分を私に見せてくれた
ごめんね 裕太くん
私今嬉しいって思ってる……
「本当にありがとう. . . . . . 」
今にも消えちゃいそうな声で呟く裕太くん。
私は抱き締めながら空を見上げた。
あの日の満月とは違って今にも消えそうな月。
神様…願いはひとつだけです。
玉森裕太の心を私にください……。
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作者名:たまみく | 作成日時:2018年12月17日 20時