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互いに求め合う ページ30

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「今日は満月じゃないねー。」





裕太くんと私はご飯たべた後、前みたいに裕太くんのマンションの近くにある秘密基地に来て一緒にベンチに座る。





『うん。本当だ. . . 。』


「まん丸じゃないや。残念だわ。」





夜空ではなく隣に座る裕太くんをチラッと見ると、

裕太くんは自然体で。


なんだか目が奪われちゃう私がいる…。





『きょ、今日は仕事だったの?』


「ん。メンバーと番組収録。宮田とニカがめっちゃ
うるさかった(苦笑)」


『あはは(笑)今日宮っちも誘えば良かったかな?』


「どうせ来ないよ。」


『宮っち予定あったの?』


「なんか行く所あるって慌てて帰ってったけど。」


『女の子かな?(笑)』


「違う違う。佐久間だろ。
どうせアイツんとこ行ったんだよ。」





裕太くんはそう言うとなぜか黙ったまま俯いた。





『裕太くん. . . 。』





少しの沈黙の後…私は裕太くんに声を掛けた。





「. . . . . . Aちゃん」





裕太くんが顔を上げて優しい目で私を見てくる。





『うん?』


「. . . . . . . . . 。」





ふにゃっと笑うAちゃん


Aちゃんの子供みたいな笑顔を見てると、
じわーっと心がほぐれてく……。





「この間ベランダでAちゃんの手に触れた時」


『うん。』


「Aちゃん帰るねって言って帰ったじゃん?」


『あ、うん. . . 。ごめん勝手に(汗)』


「あの時、俺あせった。」


『どうして?』


「Aちゃんの声が震えてたから。」


『. . . . . . . . . 。』


「なんかさ. . . ごめんね?」





裕太くんはベンチから立ち上がって少し前に出た。





「あの夜の俺はどうかしてた。」


『私も何も言えなくて. . . 』


「Aちゃんには嘘つけないと思ったんだ。」


『裕太くん』


「本当の俺を知ってほしいって。だから少しでも
Aちゃんに俺のことわかってほしいって。」





振り返った裕太くんは座ってる私を笑顔で見下ろした。





「だめだめでしょ?俺(笑)
全然かっこよくなんかないの。本当の俺は。」






そんなに優しく笑わないで…

心の奥に留めてるものがあふれそうになる。









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作者名:たまみく | 作成日時:2018年12月17日 20時

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