40 ページ40
「秋晴れだねぇ…」
「そうだな、兄者」
秋も中盤に差し掛かり始め、短刀たちが落ち葉を集めたり、どんぐりを集めたりして遊んでいるところに目がいく
その中には小烏もいた
鴉が光るものが好きと言うように、小烏もまた、光るものが好きだった
ツルツルのどんぐりを見つけては縁側に座っている髭切と膝丸の間に置いて、また探しに行ったりする
「ちょこちょことうごくよね」と言うと膝丸は「冬支度しているリスにしか見えんな」と言うと髭切は頭の中で思い出してしまって思わず吹いてしまう
「やぁやぁ！小烏殿はぴかぴかのどんぐりを見つけるのがお上手ですねぇ鳴狐！」
「上手いね」
「光るものは好きです…」
鳴狐とお供と話した後、またこちら側に来た小烏
その手には双子のどんぐりがあった
それを置いたあと、今度は短刀たちと綺麗な落ち葉集めをしてくると本丸内に点在する林の中に入っていった
髭切はおもむろにその双子のどんぐりを手に取って見つめる
兄の行動に膝丸は兄の方を向く
膝丸の視線に気づいているのかいないのか髭切はある言葉を言い始めた
「これも、僕らみたいだねぇ…」
「兄者……」
「これを切り離して、違うものを付けようにもぴったりには合わない。対でなくては、それじゃない…」
違うものは小烏の比喩か…そして"これ"には自分たちふたりを当て嵌めたのか
そう思うと自然界は厳しいと思いながら双子のどんぐりをことりと縁側に置く
膝丸には小烏のことは分からない
この方、あの小烏という刀は今代初めてだ
ましてや、話も聞いたことがなかった
どうすれば兄になりきれるのかと一期一振に問えば、時に厳しく、時に優しくと教えて貰ったが己は優しくできるかと思い悩んでしまう
髭切には「いつも通りでいいさ」と言われた
いつも通りに、語ろうとその時思った
「もみじー！！」
「また双子どんぐり〜！？」
「毒っぽいきのこー！！」
この本丸は色々あるのだなと思いながら
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月19日 17時) (
レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます！これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：自由陣 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時：2019年3月25日 16時
