34 ページ34
自分は源氏の重宝
彼は写
膝丸はそれを壊したかった
.
彼が兄から離れ、寺にいた頃の話だ
あることを聞いた
"髭切の写ができたらしい!"
"そこまでして二振一具を求めるのか…!?"
"考えてみな、写の気持ち。ただの穴埋めだよ…"
兄に写ができた時、少しだけ安心した
兄は少し抜けているから、と
だが、ひとつの言葉が彼を悩ませた
"穴埋め"である
ただ、自分がいないだけで作られてしまった存在
そうなるならば、初めから離れさせなければ良い話なのにと
そして、あの事件は起きた
そして、噂が流れた
"本科が写を斬った!?"
"なんて恐ろしいんだ…"
"それに比べて源氏の者達は喜んでいるらしい……酷いもんだ"
あの兄が写を斬るなんて
なにか気に障ったのだろうか
何があったかはよく知らない、その場にいなかったから
だが、噂だ。それは真実なのだろうか
それから何年か過ぎ、写が平家に移されることになった
平氏と戦う存在である源氏としては少し悲しい気持ちがある
兄と似た刀身を自分が折るとしたら?
嗚呼、嫌だな
どんな姿をしているのであれ、一度は会ってみたい
だが、それが出来ないのがこの世の理だ
.
そして、その後
写は所在不明となった
242人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月19日 17時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます!これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:自由陣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時:2019年3月25日 16時